「やっぱりできねー」となりました。「そりゃ、そうでしょうね」と言うしかありません。
例の「いりもしない&経済性がない新空港」を政治的判断で無理やり通した、加徳島新国際空港の件です。
Money1でもご紹介してきたとおり、そもそも鉄火場で建設しないと間に合わないスケジュールで、どの会社も応札しない――という世にもアホらしい状況でした。
2025年05月08日、韓国の国土交通部が以下のようなプレスリリースを出しています。
↑CGだけは格好いい「(完成したらこうなる)加徳島新国際空港」。国土交通部(長官:パク・サンウ)は、敷地造成工事の随意契約相手方である『現代建設コンソーシアム』(以下、現代建設)から、基本設計を補完しないという意見を05月08日(木)に受領した。
※『現代建設』が入札公告の工期(84カ月)を超える工期(108カ月)を反映した基本設計を提出したことに対し、当部は関連法令に基づき基本設計の補完を要求(04月28日)。
○ 併せて『現代建設』側は、軟弱地盤の安定化期間の追加(17カ月)および工事の順序調整(7カ月)など、合計24か月の追加工期が必要だという意見も提示した。
※(基本計画)防波堤建設と埋立を並行 →(現代案)防波堤の一部施工(7カ月)後に埋立開始
□ 国土交通部は、『現代建設』が基本設計を補完しなかったことにより、国家契約関連法令に基づいて随意契約の締結が困難となったため、現在進行中の随意契約を中断する手続きに着手し、
○ 『現代建設』の基本設計と加徳島新空港の基本計画を基に、国土部・公団の合同TFおよび専門家諮問会議などを通じて、安全性と品質を確保しつつ、スケジュールの遅延を最小化できる事業正常化方策を迅速に策定する計画である。
※(合同TF)現代建設の基本設計に対する技術的妥当性の分析進行中(04月28日〜)
※(諮問会議)TFの議論結果を基に、適正な工期などを追加検討(05月13日キックオフ)⇒参照・引用元:『韓国 国土交通部』公式サイト「[참고] 가덕도신공항 기본설계 보완요구에 대한 현대건설 컨소시엄의 의견 접수」
何を言っているのかという、「84カ月の工期でやれ」と国土交通部からの要求に対し、『現代建設コンソーシアム』側は、「108カ月かかるってば」という「できねーよ」な基本計画を提出。
もともと軟弱基盤と指摘されていた場所なので、
軟弱地盤の安定化期間:17カ月
工事の順序調整:7カ月
小計:24カ月
が必要としたのです。また並行して、
防波堤建設と埋立
を行うことも提案しています。
上掲写真のように、軟弱基盤の上に島から海に突き出た滑走路を有する空港を造ろうというのです(どこにそんな技術があるんだよ!)。
防波堤は絶対にいるでしょう。
『現代建設コンソーシアム』側のプランはまだしも現実的なものと思われますが、この計画では国土交通部の計画から逸脱している(納期に間に合わない)――というので、同部は現在進行中の随意契約を中断。
タスクフォースを結成して再検討する、としました。
「もうやめちゃえばいいのに」なのですが、おから工事でズブズブ沈む新国際空港というのも、見てみたい気がします。
さあ、韓国のこの傑作な新国際空港はホントに造るのでしょうか。「やめるのも勇気」と思われますが、ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)