文在寅大統領の肝いりで06月から稼働する「基幹産業安定基金」。
この「基幹産業安定基金」を40兆ウォン規模で作り、流動性の危機に陥っている韓国の基幹産業7つを救済する!――と息巻いていたのですが、「まずは『航空産業』と『海運業』を支援」とトーンダウン。
その上、2020年05月20日の「第4回非常経済中央対策本部会議」で基金で支援するのは、
借入金:5,000億ウォン以上
雇用者:300人以上
の条件を満たした企業、と決定しました。
この条件を課すのは「国民経済に影響が大きい企業を支援するため」とのこと。しかし、これによって大企業しか支援を受けられなくなります。また、
コア技術の保護、産業生態系の維持に重大な影響があり、企財部長官と金融委が資金が必要と認めた企業は、例外として支援することができる。
⇒参照・引用元:『釜山ファイナンシャルニュース』「40兆基安基金、大韓航空・アシアナ・HMMにまず投入される」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
――となっています。
つまり、韓国政府が支援して救うのは大企業、コア技術を持つ企業ということになります。国家としては当然の選択かもしれませんが、なかなかにシビアです。
また、上で引用した『釜山ファイナンシャルニュース』の記事内には以下のような記述もあります。
(前略)
業界では『大韓航空』、『アシアナ航空』と低コスト航空会社(LCC)で規模が大きい『済州航空』、『ティーウェイ航空』などが支援対象となることができると予想する。(中略)
海運業もコロナ19便急減と原油価格の下落などで、政府が1兆6,000億ウォンを支援したが、追加の資金が必要である。
韓国海洋振興公社の支援を受ける『HMM』と『パンオーシャン』、『KOR LINE』、『SK海運』、『チャングム商船』などについて基安基金支援で協議が行われる可能性がある。
自動車業界では、『双竜自動車』が自助努力と基安基金の要請に乗り出すと見られる。
(後略)
『大韓航空』『アシアナ航空』はすでに兆単位の支援を受け取っているのに、足りなくてさらに基幹産業基金の方にも手を上げるという底なし沼状況です。
海運業にしても先日の「1兆6,000億ウォン」の支援では全く足りない様子。
40兆ウォン規模なんていうとたくさんお金があるように感じますが、足りるかどうかは甚だ疑問です。
その上、何度もいいますが、この基金にはまだ1ウォンもありません。産業銀行が債券を発行してこれから集めるのです。
現在お金がないのに「お金の突っ込み先を決める!」っていうヘンな話なのです。
(柏ケミカル@dcp)