2020年05月20日、『韓国銀行』は「Household Credits in Q1 2020」を公表しました。
このデータによると2020年第1四半期末時点での家計負債は「1,611.3兆ウォン」。前四半期末比で「11.0兆ウォン」も増加しました。
簡単いうと、家計負債とは国民の家計が抱える借金のことです(「家計部門の負債」)。ほとんどが金融機関から借り入れている「住宅ローン」や「自動車ローン」ですが、例えばカード会社から借り入れたお金などもここに計上されます。
韓国はもともと家計負債の多い国なのですが、ここにきてさらに借金を積み上げています。韓国人1人当たり「約224万3,000円」になります。
家計負債の増加は「金融危機」の原因にもなり得るのです。
2019年第3四半期の段階で『ニッセイ基礎研究所』は「国の破産も招きかねない韓国における家計債務の実態」というリポートを出しています。
金明中先生の書かれたものですが、以下に引用します。
(前略)
家計債務の増加は家計の消費支出の減少による内需の縮小や経済成長率の鈍化、そして金融システムのリスク増加をもたらす恐れがある。最近、韓国政府が貸出に対する規制を強化することにより、家計債務の増加速度は少し緩やかになっている(2019年第3四半期の段階では:筆者注)。
しかしながら、規制が強化されることにより、所得に占める元利金の返済比率が高い低所得層や非正規労働者世帯、そして零細自営業者は、以前よりお金を借りることが難しくなり、返済や家計のやりくりに苦労している。
また、彼らの多くは債務を返済するために消費を減らす選択をするだろう。もっぱら債務の返済のために働き続けると、生きることに精一杯になり、将来について考える余裕もなくなっている。
働いても働いても豊かになれない世帯が増え続け、格差は広がる一方である。
従って、今後、韓国政府は家計債務の問題を慎重に受け入れ、解決のための対策をさらに講じる必要がある。
現在、韓国が抱えている家計債務の問題はただ個人の問題ではなく、金融危機やそれによる国家破産の原因にもなり得ることを忘れてはならないだろう。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
2019年第3四半期の段階、つまり家計負債「1,573兆ウォン」の段階で、金先生はこのように警告を発しています。
それから2四半期で「1,611.3兆ウォン」まできたのです。
先に、ラスボス「BIS」(Bank for International Settlementsの略:世界決済銀行)のデータを基に「韓国は借金の増えるスピードが早すぎる」とご紹介しました(以下記事)。
韓国では家計・企業・政府の3つとも借金がどんどん増えているのですが、2020年第1四半期もその流れは止まっていません。もはや「行けるところまで行こう!」なのかもしれませんが、ヤケはよくないですね。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Household Credits in Q1 2020」
(柏ケミカル@dcp)