韓国で前文在寅政権で高官を務めた人物が次々と検察の捜査対象となり、起訴の方向となっています。目標はもちろん文在寅その人です。
朴槿恵(パク・クネ)大統領を引きずり下ろし、左派・進歩系が好き放題に政権を握った5年間でしたが、揺り戻しがきています。
文在寅さんを追及する糸の一本は、Money1でもご紹介している「海洋水産部の公務員であるイ・デジュンさんが北朝鮮の銃撃によって亡くなった件」(「西海公務員被殺真相隠蔽」事件)です。
当時、国家安保室長だった徐薫(ソ・フン)さんがすでに逮捕されています。
この事件を「イ・デジュンさんの越北」と最終判断したのは文在寅大統領その人であり、文さん自身は「政府機関の意見を最終的に認めたのは自分である」と述べていますが、焦点は「大統領室が大統領の意向を受けて越北という方向でまとめさせたのではないのか」――です。
この事件の焦点は、「(事故で船から海に落ちて北朝鮮海域まで流れてしまったと見られる)イ・デジュンさんを誰が越北と判断したのか」です。
越北として北朝鮮軍による銃撃を「仕方ない」などと隠蔽したのであれば、それは国民の命を見捨てたことになりますので、国および国民に対する背信行為です。
北朝鮮がイさんを発見したとき、まだ生きていたことが分かっていますので、韓国政府機関が見殺しにしたのは事実という他ありません。
文さんは「政府機関の判断を承認した」と述べていますが、つまりこれは「自分が越北と判断したのではない」という逃げ口上です。
もし、文在寅大統領が判断したという証拠がでてくれば、当然追及されることになります。
文さんが最終目標ということは誰もが分かっているので、メディアの記者もその点を韓国の若大将こと韓東勳(ハン・ドンフン)法務部長官に「文在寅前大統領が捜査線上に上がる可能性」について聞いています。
2022年12月07日、記者からの質問に対して韓東勳(ハン・ドンフン)長官は、
「検察では透明かつ公正に捜査する」
「文前大統領は、対北送金特検当時、大統領府の民情首席秘書官だった。その時、『金大中前大統領が関与したことが明らかになれば、残念ながら責任を負わなければならない』と述べていたことを記憶している」
と語っています。
「憲法と法律を超越する統治行為は存在しない」は名言でしょう。
文在寅が前大統領だろうが、法を超越することは許されない、断固として捜査するという宣言です。
「対北送金特検当時」というのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の際に提起された疑惑で、金大中(キム・デジュン)大統領が南北首脳会談を実現するために北朝鮮にお金を送金していた――という疑惑についてです。
※金大中(キム・デジュン)政権が北朝鮮に裏金を送っていたのは事実でした。そのため、金大中(キム・デジュン)さんは「ノーベル平和賞を金で買った」と批判されています。
このとき民情主席秘書を務めていたのは文在寅さんその人で、金大中(キム・デジュン)大統領が送金に関わっていたのなら捜査されても仕方がないと述べていました。
巨大なブーメランが自分を襲うことになっているわけです。
文さんは北朝鮮にお金を送っていませんか?
邪推かもしれません、韓東勳(ハン・ドンフン)長官が「金大中(キム・デジュン)大統領の北朝鮮への裏金送金」について触れたのは非常に意味深に見えます。
文在寅大統領は北朝鮮の金正恩総書記と3回首脳会談を行っています。
↑2018年04月の南北首脳会談時。PHOTO(C)Cheongwadae/Blue House
金大中(キム・デジュン)大統領の時代の事情を考慮すれば、この3回の会談でも裏金が北朝鮮に渡っている可能性はないでしょうか。
李在明(イ・ジェミョン)さんの疑惑に絡んで『SBW』(サンバンウル)が北朝鮮に外貨を輸送した事実がすでに明らかになっています。
文在寅さんの方をさらにたぐれば、金大中(キム・デジュン)大統領時よりも大きな資金送金が明らかになるかもしれません。南北首脳会談3回分のお金だとすると莫大なものになるでしょう。
もし、本当に北朝鮮に裏金を送っていたら、もちろん国連の制裁違反ですし、また韓国の法律からいけば「与敵罪」に当たる可能性があります。
与敵罪の罰は極刑です。
韓国憲法では「与敵罪」「利敵罪」について、
第93条(与敵)
敵国と力を合わせて大韓民国に抗敵した者は死刑に処す。第99条(一般利敵)
第7条に記載した以外に大韓民国の軍事上の利益を侵害したり、敵国に軍事上の利益を供与した者は無期または3年以上の懲役に処する。
としています。
文在寅さんの行く末にご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)