韓国経済が危機的状況に陥っています。これを救うため韓国政府がやたらにお金をバラまく政策を行っているため、韓国メディアではこれを危惧する報道が出ています。
2020年05月17日には『毎日経済』に、昨年ラスボス「BIS」(Bank for International Settlementsの略:世界決済銀行)が出したリポートを引いた記事が出ました。
BISによれば、2019年末時点で韓国の負債は以下のようにまとめられています。
家計負債:1,827兆ウォン
企業負債:1,954兆ウォン
政府負債:759兆ウォン
負債と書けば、なんだか多少なりともカッコいい感じもしますが、要は「借金」です。先にご紹介したとおり、韓国の借金が莫大なのは今さら驚くには値しませんが、問題はこれが雪だるま式に加速を付けて膨らんでいることです。
つまり「借金の増加スピードが速すぎる」のです。
「対GDP信用(総与信)ギャップ」の悪化スピートが異常に速い!
『毎日経済』の記事では「対GDP信用ギャップ(credit-to-GDP gap)」(『韓国経済』では単に「信用ギャップ」「クレジットギャップ」と記述しています)という指標に注目しています。
面倒くさい方は飛ばしていただいてOKですが、これは「金融の過熱状況」を示すための「早期警戒指標」といわれます。
「10」を上回ると「3年以内に危機が到来する」とされているのです。
実際、韓国の例では「韓国通貨危機」時に以下の数字となっています。
2008年12月:10.7
2009年03月:11.9
2009年06月:13.2
2009年09月:13.0
2009年12月:11.2⇒データ引用元:『BIS』公式サイト「Credit-to-GDP gaps」(以下同)
早期警戒どころか危機只中、ドボンの最中にこの数字でしたので、「危機をそのまま示した指標」だったわけですが。
で、現在です。実は今回の新型コロナウイルス騒動の前から、韓国ではこの指標が悪化するスピードが異常に速くなっているのです。
ラスボス「BIS」のデータから「対GDP信用ギャップ」を以下に引用します。
2018年12月:0.4
2019年03月:1.5
2019年06月:3.5
2019年09月:5.4
2019年12月:7.0
2018年12月にはわずか「0.4」だったものが、2019年12月には「7.0」まで来ました。
過去を振り返ってみると、「韓国通貨危機」が本格化する前にはやはり以下のように急騰しているのです。
2007年12月:-0.5
2008年03月:2.5
2008年06月:5.5
2008年09月:7.9
というわけで、ラスボスBISは「危なくなってきたよ」という警告を発しており、それはいよいよ現実になりつつあります。
『韓国経済』の同記事では以下のように書いています。
(前略)
これまで各国で発生した金融危機の中で、2/3は信用ギャップが10%を超えたときに起きた。信用ギャップが10%を超えると「警報」段階、2~10%の間は「注意」段階、2%未満は「通常」段階に分類される。
これまで韓国では、民間部門の負債が増減しながらも、ずっと1%以下に留まってきた。
しかし、文在寅政府になって再び増加に転じ、7年ぶりに「注意」段階に再進入した。
BISが集計した昨年末、韓国の家計負債は1,827兆ウォン、企業の負債は1,954兆ウォン、政府の負債は759兆ウォンに達する。
問題は借金が増える速度だ。韓国は、家計・企業の両方で対GDP比負債の増加率が43カ国中、第4位を記録した。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「BISの警告『韓民間債務の増加が速すぎる』」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
ラスボス「BIS」の統計からすれば、韓国はかつてきたドボンの道をまた進んでいるように見えます。この新型コロナウイルス騒動で、家計・企業・政府の全てで負債は増加しています。「10%」を超えるのも時間の問題でしょう。もはや引き返し不能点まで来ているかもしれないのです。
(柏ケミカル@dcp)