韓国企業が流動性の危機(要はお金がないってことです)に瀕しており、第2四半期の業績はヒドイことになると予想されています。
先にご紹介したとおり、文在寅大統領は「基幹産業安定基金」構想をぶち上げ、韓国の基幹産業を担う企業を支援する旨を宣言しました。
韓国はなにかというと「基金」を作りたがるヘンな国ですが、先にもご紹介したとおり、この「基幹産業安定基金」なるものに40兆ウォンの資金を用意し、支援を求める企業にお金を融資するというのです。
ちなみに、韓国では「40兆ウォン」「40兆ウォン」と連呼していますが、そのお金はまだ1ウォンもありません。
以下がこの基金の「お金をどうするのか?」のイメージ図です。
上掲のとおり、韓国の国策銀行である『産業銀行』が債券を発行して40兆ウォンを今から集めるのです。
この「基幹産業安定基金」はすでに始動しており、それはまあイイのですが、この支援と雇用を絡めた発言を始めました。『韓国経済』の2020年05月12日の記事から一部を引用しますと……。
(前略)
サポートを受ける企業は、一定期間の雇用を維持しなければならない。局長(金融政策局長:筆者注)は「雇用の総量の90%を維持することが基本ガイドライン」と述べた。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国経済』「基幹産業基金航空・海運サポート…雇用90%を維持条件」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
企業はリストラを行う際には人員整理を考えますが、これに歯止めを掛けようというわけです。
一部では「90%の雇用を半年間維持すること」が条件という報道も出ています。雇用の維持ができない企業は支援を受けられませんから、これはけっこうなハードルになります。
しかも、雇用を守れなんてエラそうに言ってますけれども、この基金には「まだ一銭もない」のです。企業側からすれば「融資してくれると言うけど、お金はあるの?」とまず聞きたいところではないでしょうか。
いろいろトーンダウンしてきたぞ!
また、この「基幹産業安定基金」なるものも徐々にトーンダウンしてきました。
当初は、「航空」「海運」「機械」「自動車」「造船」「電力」「通信」という7つの業種を救う!という勇ましいものだったのですが、ここにきて政府は「航空」「海運」という2つの業種に支援対象を決めた、というのです。
他の業種はどうするんだよ、という話ですが、『韓国経済』の同記事によれば、
(前略)
他の業種は、金融位が所管省庁の意見を聞いて、企画財政部と協議して指定する。金融政策局長は会見で、「当初発表した7つの業種を中心にサポートする方針は変わらない」とし「航空、海運業は優先的にサポートが提起されたため含まれたし、他の基幹産業は、市場の状況と資金需要を見ながら、関係省庁と協議して対応時期を調整するだろう」と述べた。
(後略)
となっています。
こんな泥縄式で間に合うのか、と思わされる話です。何度もいいますが「まだ一銭もない」のですよ、この基金には。
※この突っ込みどころある「基幹産業安定基金」については、以下の記事を参照いただければ幸いです。
(柏ケミカル@dcp)