2024年11月26日、『韓国銀行』が「2024年第3四半期の居住者のカード海外使用実績」を公表しました。
韓国の皆さんが外国でどのくらいカード(クレジットカード+デビットカード)を使ったのか?――ですが、これが面白い結果になっています。まず以下をご覧ください。
2024年第3四半期は「57億1,000万ドル」となり、前四半期から10.1%も増加しました。
Money1でもご紹介したとおり、コロナ禍が本格的に明け、日本に韓国人が多く訪問し、お金を落としています。日本からすれば「毎度あり!」なのですが、これは韓国にとっては資金流出になります。
2005年から2024年までの四半期ごとの「韓国人の海外でのカード使用金額・使用カード枚数」の推移を見ると以下のようになります。
2019年第3四半期には「47億9000万ドル」、第4四半期「48億8,300万ドル」に達しました。
この後、コロナ禍に入って人の移動が制限されたため、海外でのカード使用額も急減。2020年第2四半期にはわずか「18億7,400万ドル」まで減りました。
この海外でのカード使用額が「30億ドル」超えを回復するのに、2021年第3四半期まで掛かりました。それだけ外国にお金を落としているわけですので、収支で考えると難しいところですが、消費が旺盛であることは悪いことでありません。
これを年次で見ると以下のようになります。
2024年は第3四半期までで「160億7,400万ドル」なので、通年では確実に200億ドルを超えるでしょう。
ちなみに、韓国の2024年の旅行収支(Balance of Travel)を確認すると以下のようになります。
『韓国銀行』が公表する国際収支統計によれば、2024年は01~09月累計で「-101億210万ドル」です。それだけ韓国から外国にお金が出ていったわけです。
この旅行収支については、韓国はほとんど黒字になりません。外国人が韓国で使うお金よりも、韓国人が外国で使うお金の方が多いのです。つまり、お金は出ていくばかりです。
以前にもご紹介しましたが、コロナ禍で韓国にいいことがあったとすれば、その間、サービス収支の赤字が減ったことぐらいです。
(吉田ハンチング@dcp)