EU離脱問題で揉めている、というかどうなるか予断を許さないイギリス情勢ですが、31日、英財務相のハモンド氏は、仏ルモンド紙のインタビューで「英政府は財政面での調整により、不公平な競争に乗り出すことを検討しているとよく言われる。これはわれわれの計画または将来的なビジョンではない」と、減税の可能性を否定しました。
欧州の各国は税金が高いことで知られていますが、EU離脱後にイギリスが競争力を維持するために減税を行うのではないか、という観測※が出ていたのです。この指摘が上記のような「不公正な競争」と表現しているのです。
※法人税を下げるのではないかという観測がありました。
また、EU離脱後をにらんで銀行がロンドンから逃げ出し始めているとの件には、「欧州にとって非常に危険」と発言しています。この意味は、ロンドンの金融サービスが分断されるから、というのです。
英国のみならず欧州の金融の安定を預かっているから、というのですが、しかしこれはためにする意見だとも思われます。イギリスという国は、金融一本で食べている国です。よその国にその一部でも持って行かれるのがイヤなだけなんじゃないの? とも邪推できます。
昔から戦時においての狡猾さによって、常時の定見のなさをカバーしてきた国だけに、EU離脱という一大転換点においてイギリスが何をしでかすか……まあちょっとした見物です。
(柏ケミカル@dcp)