欧州で中国スパイの浸透工作が次々と摘発されています。2024年04月23日、中国外交部の定例記者ブリーフィングで、外信記者がこの件について畳み込むという面白い展開がありました。
該当部分を以下に引きます。
『AFP』記者:
6月のEU選挙に立候補したドイツの政治家のアシスタントが、中国のスパイ容疑で逮捕されたと報じられています。 報道官のコメントは?汪文斌:
関連報道と関連する憶測には留意している。実際、いわゆる「中国スパイ脅威論」は欧州世論では目新しいものではなく、ここ数年、中国と欧州連合(EU)のハイレベル交流の前後には必ず、新たな憶測が飛び交っていることがよく分かる。
この種の憶測の意図は非常に明白で、中国の信用を失墜させ、弾圧し、中欧協力の雰囲気を損なうことである。
われわれは、中国が常に、相互尊重と内政不干渉の原則に基づき、欧州を含む世界の全ての国々と協力することを主張してきたこと、また、法令順守を基本に、関係各所との互恵協力を推進してきたことを強調したい。
私たちは、ドイツ側が冷戦的な考え方を捨て、いわゆる「スパイリスク」を利用して反中国的な政治工作を行うことをやめることを望んでいる。
『Bloomberg』記者:
「いわゆる『中国のスパイの脅威』」とおっしゃいましたが、ドイツで逮捕された人々が中国のスパイであることを否定するのですか? 数日前、他の3人のドイツ人も中国のスパイ容疑で逮捕されましたが、この3人が中国のスパイであることも否定するのですか?王文斌:
中国の立場を紹介したところです。いわゆる「欧州における中国のスパイ活動」に関する最近の報道は、すべて憶測に基づくもので、中国の信用を失墜させ、弾圧するためのものだ。
ドイツからの報告だけでなく、この2日間にイギリスからも関連する報告があったことに私たちは気付いています。
われわれはこのような憶測に断固として反対する。
また関係者に対し、いわゆる「中国スパイの脅威」に関する偽情報の流布を止め、反中政治的な工作や悪評を止めるよう強く求める。
『BBC』特派員:
イギリスでも2人の男性が中国のスパイとして告発されています。中国政府は彼らがスパイであることを否定しますか? 告発に対する反応は?汪文斌:
中国側が発表した関連ニュースにお気付きの方は、昨年09月に中国側がすでに関連報道に反論しているのをご覧になったはずです。中国がイギリスの情報を盗んだ疑いがあるといういわゆる主張は、まったくのでっち上げであり、悪意を持って誹謗中傷されたものであり、われわれは断固としてこれに反対することを改めて表明したい。
われわれは関係者が悪意ある反中国工作をやめることを望む。
『AFP』『Bloomberg』『BBC』の記者がそれぞれに、「中国政府は拘束された人間が中国のスパイだということを否定するのか?」と畳み込みました。
しかし、汪文斌報道官は「でっち上げた」と反論して押し通しました。調査の結果、何が公にされるのかを待ちましょう。
問題は日本です。欧州がやられているのに、日本がやられていないわけがありません。
(吉田ハンチング@dcp)