韓国政府、『韓国銀行』、国策銀行が市中にどんどんお金を回しているのですが、新型コロナウイルス騒動による実体経済の悪化に特に効いている様子はまだ見えません。
『韓国銀行』はいくらお金を回せばいいのか、についてどのように予測しているのでしょうか?
『韓国銀行』の「金融安定報告書」※1によれば、2020年に不足する企業の流動性は30兆9,000億ウォンと推定しています。また、この新型コロナウイルス騒動が2020年中継続した場合には、54兆4,000億ウォンの流動性が不足すると読んでいます。
要はそれだけの資金が不足するため、これを供給しないといけないというわけですが、それで支えきれるでしょうか。
何度もご紹介していますが、韓国のM2※2は史上最大規模の「3,054兆ウォン」に達しているのですが、空恐ろしくなることに企業の生産活動が上向いた、消費が拡大したといった兆候は見えません。以下に韓国の直近のM2のデータを再掲載します。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2020年5月の通貨および流動性の集計」
2019年末から5カ月で「145兆ウォン」も増加したのに効かない。たとえ、これからさらに30兆9,000億ウォン増やしたところで企業の生産活動が上向くと信じられるでしょうか。恐らく全然足りないでしょう。
しかし、いつまでもじゃぶじゃぶお金をまいているわけにもいきません。韓国経済は大変に難しい局面にさしかかっています。
※1
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「金融安定報告書(2020年06月)」
※2至極簡単にいえば「M2」とは「市中にお金がいくらあるのか」を示す指標です。以下に『日本銀行』の定義を引きます。
M2=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、国内銀行等<マネーサプライ統計のM2+CD対象預金取扱機関と一致>)
⇒参照・引用元:『日本銀行』「マネーストック統計のFAQ」
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/faqms.htm/
(柏ケミカル@dcp)