不可思議な業績結果が出ました。韓国の造船大手『韓国造船海洋』の2021年第2四半期の決算なのですが、赤字に転落したのです。
2021年第2四半期
総売上:3兆7,973億ウォン(約3,607.4億円)
営業利益:-8,973億ウォン(約-852億円)
当期純利益:-7,221億ウォン(約-686億円)⇒参照・引用元:『韓国金融監督院 電子公示システム』公式サイト「韓国造船海洋」
これまで韓国メディアでは造船業界の受注ラッシュを記事にしてきました。例えば『毎日経済』では、2021年07月02日に、「『やはり韓国』……韓国造船海洋、今年受注目標を満たした」という記事で同社が140億ドル(約1兆5,413億円)の受注ラリーを達成し、2021年の受注目標の94%を達成したと報じました。
受注実績は以下のとおり華々しく報じられました。
コンテナ船:45隻
LPG運搬船:45隻
石油化学製品運搬船:30隻
超大型原油運搬船:12隻
LPG運搬船:45隻
石油化学製品運搬船:30隻
超大型原油運搬船:12隻
このような報道から20日たたないうちに「第2四半期は赤字でした」となったのです。
『韓国造船海洋』は、材料となる鋼板の価格急騰が見られるので、その損失引当金「8,960億ウォン」をあらかじめ計上したため、と説明しています。同社では1トン当たり「100~115万ウォン」で計上したとしています。
上半期は「1トン当たり70万ウォン」で鋼板の供給を受けたとのことなので、この先鋼板の価格が計上した価格を下回ればその分利益が出ると見込んでいるのです。
安い金額で大量に受注して、後になってから採算が合わなくて四苦八苦しているのでなければいいのですが……。そもそも造船業というのは薄利多売で回す業種なのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)