飛ぶといわれながら、まだ飛んでいない韓国の『双竜自動車』ですが、銀行が貸し付けた資金を回収したことが報じられました。瀕死の『双竜自動車』側からすれば「貸しはがしだ!」と思えるかもしれません。
2020年08月13日の『韓国経済』の記事から一部を引用します。
13日、金融界によると、『国民銀行』は第2四半期以降、『双竜自動車』から融資を全て返済されて債権団から出た。
『国民銀行』が『双竜自動車』に貸したローン残高は今年第1四半期末基準87億5,000万ウォン規模で、一般的な設備資金名目の融資であった。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
韓国の『国民銀行』は『双竜自動車』に貸し付けた87億5,000万ウォンを回収し、イチ抜けしました。『国民銀行』からすれば回収できるときにしておかねば……ということでしょうが、資金繰りに困っている『双竜自動車』からすれば、「ロールオーバーさせてくれよ」というところです。
親会社も見捨てているし、本当に怖いのはバンカメ!
何度もご紹介していますが、『双竜自動車』はインド企業『マヒンドラ&マヒンドラ』が7割の支配権(正確には74%)を有しています。しかし、『マヒンドラ&マヒンドラ』も自社の支配率を51%にまで下げたいとしています。『双竜自動車』の業績が悪すぎて見放しているのです。
問題は、『マヒンドラ&マヒンドラ』の支配権が51%未満に下がるときです。
『バンク・オブ・アメリカ』(バンカメ!)などの外資系金融機関は『双竜自動車』に「3,899億ウォン」を貸し付けています(短借:短期借入金※)が、
『マヒンドラ&マヒンドラ』が51%の支配権を持つこと
という条件の下で行っています。これが破られた場合、この短借がスグに引き上げられる可能性があるのです。
そもそもが14四半期連続赤字という会社ですので、いつ飛んだっておかしくはないのですが、『双竜自動車』の新しい株主が見つかるかどうか最後の努力が続けられています。
『サムスン証券』、外資系金融機関を主幹事に売却先を探しているとのこと。
※短期借入金とは1年以内に返済期限が訪れる借入金をいいます。
(柏ケミカル@dcp)