韓国の「エネルギー関連の公社」を調べれば調べるほど「これはダメでしょ」という話が出てきます。今回ご紹介する『韓国鉱物資源公社』は相当イカン状況です。
『韓国鉱物資源公社』は海外の資源開発を主な事業とするものですが、2019年の決算では資本が「マイナス2兆4,791億ウォン」。
⇒参照・引用元:『韓国鉱物資源公社』公式サイト「要約貸借対照表(K-IFRS)」
資本がマイナスなので「負債比率」もなにもありません。計算できないからです。
資本が「504億ウォン」残っていた2016年半期時点での債務比率は1万454%。
韓国メディアの報道によれば、6兆ウォンの負債を抱えています。また、負債の返済で毎年1兆2,000~3,000億ウォンを海外に支払わなければならない、とのこと。
海外資源開発失敗で借金まみれに
なぜこんなヒドイことになっているかというと、海外資源の開発がうまくいかなかったのが累積したからです。
李明博(イ・ミョンバク)大統領の時代に「海外の資源開発だ!」と号令がかかってあちこちに投資したのですが、これがふたを開けてみれば失敗ばかり。
鉱山開発は「当たるも八卦、当たらぬも八卦」みたいなところがありますから、とにかく可能性があるところを当たるまでズンズン掘ってみるしかないわけですが、韓国の場合「当たるまでお金が続かなかった」わけです。
2019年10月15日には、韓国の国会で『韓国鉱物資源公社』の南社長職務代行が「2020年度に債務不履行となる可能性がある」旨を発言しています。JOGMECの2019年10月21日の「ニュースフラッシュ」では以下のように報じています。
2019年10月16日付け現地報道によると、10月15日に国会で行われた国政監査において、韓国鉱物資源公社(KORES)の南社長職務代行は、2020年度に債務不履行となる可能性を示した。
KORESは、経営悪化を背景に鉱害公社との統合を目指しており、2018年3月には韓国鉱業公団法案(統合公団法)が国会に提出された。
現在は、常任委員会において審議されているものの、鉱害公社の労働組合や廃止鉱山地域の住民の反対を受けて滞っている状況である。
(後略)⇒参照・引用元:『JOGMEC』「ニュース・フラッシュ 」
もう資金調達する財源もないということで『鉱害公社』との合併が模索されていたのですが、まだ達成されていません。というわけで、この「借金まみれの公社」は放置されています。
追記
2020年08月26日、『中央日報(日本語版)』に「ニッケル鉱山を手放すなんて……」という記事が出ましたが、これを売却しなければならない理由の一つも上記のような財務状態が極めて悪いということがあるのでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)