2020年08月27日、韓国の中央銀行『韓国銀行』から「経済の見通し(2020.08月)」という資料が公表されました。
韓国メディアでも多く引かれていますが、『韓国銀行』は新型コロナウイルス騒動による低迷からの景気回復見込みを下方修正しました。
2020年下半期のGDP成長率を「-1.8%」、年間では「-1.3%」と予測を引き下げたのです。さらに『韓国銀行』は、「10月初旬まで新型コロナウイルス騒動が継続する場合には-2.2%まで成長率は落ちる」としています。
ちなみに、これまでの『韓国銀行』の予測は以下のようなものでした。
01-04月には「それでもプラス成長する!」と頑張っていたのですが、05月についに諦め「マイナス成長だ」と観念したのです。
現況は『韓国銀行』の深刻な方のシナリオに近い!
Money1では06月26日の記事でご紹介しましたが、『韓国銀行』は以下の2つのシナリオを用意していました。
基本シナリオ
⇒新型コロナウイルス騒動が韓国国内は第2四半期まで、海外は第3四半期まで続く深刻なシナリオ
⇒2020年末まで新型コロナウイルス騒動が続く
韓国の見方(というか希望)では、第2四半期で国内の新型コロナウイルス騒動は片が付くというのが「基本シナリオ」だったわけですが、残念なことに韓国は流行の第二波に襲われていると見ることができ、こっちのシナリオはもうあり得ません。
現状は『韓国銀行』の予測した深刻なシナリオにより近い線で動いています。
このシナリオでどのようなことが起こると予測していたかが以下になります。
・企業の営業利益率が1.6%まで悪化する
(基本シナリオでは「2.2%」/前年実績は「4.8%」)・負債比率※1が200%を超える企業が40.4%に増える
・利子補償倍率※2が1未満の企業の割合が50.5%に上昇する
(つまり利子も払えない企業が50%を超える)
年末まで新型コロナウイルス騒動が続くかどうかは分かりませんが、残り4カ月しかありませんから韓国経済も覚悟が必要です。
「借金の利子も支払えなくなる企業が半数に達する」というシナリオが現実味を帯びてきました。
※1面倒くさい人は飛ばしていただいても大丈夫ですが、「負債比率」は、「負債」を「自己資本」で割って求めます。つまり、その企業が自己資本に比べて負債(借金)をどのくらい背負っているかを示します。負債比率が「200%」ということは、借金が自己資本の倍あるということです。
※2面倒くさい人は飛ばしていただいても大丈夫ですが、「利子補償倍率」は、「営業利益」を「有利子負債の利子費用」で割って求めます。これが「1未満」ということは、営業利益が有利子負債の利子費用よりも小さいということですから、すなわち「利子も支払えない状況」です。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「経済見通し(2020.8月)」
(吉田ハンチング@dcp)