04月も残すところ4日。「四月危機」に襲われている韓国では04月30日が「仏誕日」で祝日ですので、あと3営業日です。04月末に償還しなければならない社債など、借金のメドを立てるのにあと3日しかありません。
そのため韓国政府・国策銀行の動きも慌ただしいものとなっています。先週末の24日(金)、『大韓航空』に「1.6兆ウォン」の支援パッケージが急遽発表されたのもそのためです。
韓国自動車業界も危機に瀕していますが、2020年04月26日『朝鮮日報』に興味深い記事が出ました。タイトルからして「『今年はトヨタをとらえるチャンスだったのに…』新型コロナで気をもむ韓国自動車業界」と奮っています。
冒頭部分を引用します。
「今年、現代・起亜自動車は日本のトヨタをとらえられるチャンスだったのに、新型コロナウイルスで駄目になるかもしれない」
これは、現代・起亜自動車部品協力会社協同会の会長を務めているオ・ウォンソク・コリアFT会長が21日、ソウル市瑞草区の自動車会館において成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官の主宰により行われた「自動車業界懇談会」で語った言葉だ。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「『今年はトヨタをとらえるチャンスだったのに…』新型コロナで気をもむ韓国自動車業界」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
同記事はこのアタマの部分がクライマックスで、以降は特段目新しい情報はなく、自動車業界がどんな点で困っているか、政府にどんな方策を取ってほしいかを記載しています。
それも至極当然で、この「自動車業界懇談会」は、『現代自動車』『起亜自動車』『双竜自動車』『ルノーサムスン』『韓国GM』の完成車メーカー5社をはじめ、部品メーカー関係者、韓国自動車産業協同組合などが参加した、政府に窮状を訴える「陳情集会」みたいなものだったからです。
この集会の主張は次の部分に集約されます。
(前略)
韓国自動車産業協会の鄭晩基(チョン・マンギ)会長は「業界で新型コロナウイルス問題後、3-4カ月しのがなければならない資金は42兆ウォン(約3兆6600億円)に達する。10兆ウォン(約8715億円)程度は各企業でしのぐことができるが、あとは銀行などを通じた流動性供給が急がれる。
国民の皆さんは政府が税金を使って業界に補助金を支援すると考えるかもしれないが、実際には借金して企業経営を続け、後に返済する資金だ。
新型コロナウイルス問題後に需要回復期が来れば、我々企業は韓国経済に大いに貢献できるだろう」と強調した。
「あとは銀行などを通じた流動性供給が急がれる」なんて言ってますが、要は、自動車業界が困っているので「早く32兆ウォン出せ!」ということです。
2020年04月11日にMoney1でご紹介した主張から全く変わってはいません。
オリアFT会長の「あぁ、コロナさえなければトヨタに追いついたかもなー」という発言も、「だから早く32兆ウォン貸せよ」と続くわけです。
文在寅大統領が基幹産業をトばさないために「造成」したのは「40兆ウォン規模」の基金です。自動車産業の要求どおり「32兆ウォン」使ったら、先に『大韓航空』へ「1.6兆ウォン」の支援を決めてしまったので、残りはもう「6.4兆ウォン」しかありません。
やっぱりお金が全然足りないというわけです。
(柏ケミカル@dcp)