2020年03月19日、アメリカ合衆国の中央銀行たるFEB(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)は、新たに9カ国の中央銀行とスワップライン(ドル流動性スワップ)※を締結しました。
9カ国とは、オーストラリア、ブラジル、デンマーク、韓国、メキシコ、ノルウェー、ニュージーランド、シンガポール、スウェーデンです。
Money1で何度もご紹介している韓国の「『通貨スワップ』の利用額」とは、このドル流動性スワップを利用して合衆国から「いくら借りたか」、そして「現在いくら未返却か」を指しています。
では、韓国を含めて9つの中央銀行は、03月19日のスワップラインの締結から現在までにいくら調達したのでしょうか?
FEDでは、毎週「ドル流動性スワップの運営結果・未返済金額」について公表しています。
最新の公表データは04月23日までの取引をまとめたものです。FEDから借りてまだ返していないドル――「未返済の金額」について9つの中央銀行を比較すると以下のようになります。
オーストラリア準備銀行 | 11億5,000万ドル |
ブラジル中央銀行 | 0 |
デンマーク国立銀行 | 52億9,000万ドル |
韓国銀行 | 161億9,400万ドル |
メキシコ銀行 | 65億9,000万ドル |
ニュージーランド準備銀行 | 0 |
ノルウェー銀行 | 18億5,000万ドル |
シンガポール金融管理局 | 58億6,800万ドル |
スウェーデン国立銀行 | 0 |
⇒データ出典:『NY連邦準備銀行』公式サイト「U.S. Dollar Liquidity Swap – Amounts Outstanding」
https://www.newyorkfed.org/
上掲のとおり、『韓国銀行』は03月19日にFEDとスワップラインを結んだ9つの中央銀行のうちぶっちぎりでドルを借りています。あえて大阪弁で突っ込むなら「借り倒しとるがな!」(借り過ぎ)です。まあそれだけドルが足らないということでしょう。
そろそろ返済のことも考えた方が良いかもしれません(大きなお世話ですが)。
※韓国メディアは「通貨スワップ」あるいは「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)