韓国で不動産価格の上昇が止まず、「家を買えない」として政権に対する若い世代の不満が高まっており、これが文在寅大統領の支持率を下げる要因の一つになっています。
実際ソウルの不動産価格は大変な値上がりで、ついにマンションの平均価格が「10億ウォン」(日本で約9,000万円)超まできたという報道が出ました。
韓国メディア『毎日経済』の2020年09月28日付けの記事から一部を以下に引用します。
ソウルのマンションの平均売買価格が初めて10億ウォンを超えた。
これは2年前より2億2,000万ウォン近く上がった金額である。1年前と比較すると1億6,000万ウォン上がった。
地域別では城北・蘆原・衿など、ソウル郊外の上昇幅が大きくなった。城北区アパートは2年間で40%も上昇した。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「ソウルのマンション価格の平均10億突破…城北区は40%も急騰」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
日本円にすると2年前から「1,980万円」、1年前から「1,440万円」の上昇ですから、無茶苦茶もいいところです。
政府の打つ政策は全く効かない!
韓国政府が何もやってこなかったかというと、そんなことはなく、先に少しだけご紹介しましたが09月にも新たな法律改定を行ったのですが、少なくともここまで全く効果が見られません。
その理由ですが、まず第1に「そもそもソウルの物件数が需用に比べて少ない」という点が挙げられます。需給バランスが崩れているのでもともと上昇圧が強い、というわけです。
第2に「投資マネーが不動産に向かっている」という点です。韓国はそもそもが投資といえば不動産という国で、このお金じゃぶじゃぶの状況の中、不動産にお金が回りすぎているのです。
政府はソウルの「建ぺい率を上げます!」(つまり高い建物を建てられるようにする)というトンチみたいなことも言ってはみたのですが、そんなことで上昇が止まるわけはなく、ここまで来てしまいました。
問題は、これが縮小に向かうときです。つまり、低金利で資金を調達して不動産に投資した人たちにとって、金利が上昇するときが危険です。資金の巻き戻しが急激に起こると……毎度おなじみのバブルクラッシュが発生する可能性があります。
もちろん韓国の不動産バブルは元から危ないと言われてここまできました。その意味ではいつ弾けてもおかしくはないのですが、まだ金利上昇の兆しは見えません。
あるいは、こういうシナリオはどうでしょうか。不景気が進み、不動産ローンを支払えず物件を売却する人が増加し、大きな流れとなって不動産価格の下げトレンドを作る。これがさらに価格下落に拍車をかけて……不動産バブルが崩壊する。
いずれにせよ、韓国の不動産の値上がりは異常なのでどこかで行き止まりが来るでしょう。その後が見物です。
(吉田ハンチング@dcp)