ずいぶん前(2019年04月)にご紹介した韓国『LG化学』(現在は『LGエネルギーソリューション』)と『SKイノベーション』の営業秘密侵害に関する訴訟について、アメリカ合衆国『国際貿易委員会』(略称:ITC)は2021年02月10日、『LGエネルギーソリューション』に軍配を上げました。
この訴訟は、
として起こされました。注目していただきたいのは「特許侵害」ではなく、営業秘密について侵害と被害を認定したことです。
『ITC』は、
と命令しました。つまり、『SKイノベーション』は事実上合衆国市場から閉め出されたわけです。
この後、この判断は60日間の大統領審議期間に入ります。この間に大統領が拒否権を発動すれば止まる可能性もありますが、何もなく60日過ぎると「確定」です。
『SKイノベーション』の努力が水の泡に?
先にご紹介したとおり、精油事業で大赤字(2020年:2兆5,688億ウォンの営業損失)になった『SKイノベーション』は、「これからは電池だ!」と奇声、ではなく気勢を上げていました。
その矢先にこれです。
また、同社はジョージア州に電気自動車用のバッテリー工場を建設しており、2021年から本格稼働させるつもりでした。さらに、2023年に本格生産する予定で第2工場の建設計画も公表していたのです。
今回の『ITC』の判断は、これらを全て水泡に帰させる可能性があります。『SKイノベーション』は『LGエネルギーソリューション』に謝って、なんらかの合意に達しないと会社が傾くかもしれません。
もっとも、その『LGエネルギーソリューション』も、火事の原因が『LGエネルギーソリューション』のバッテリーセルのせいだったと確定したら、『現代自動車』から巨額の損害賠償を請求される可能性があるのですが。
※ただし、『フォルクスワーゲン』用のバッテリー、部品・素材については2年間、『フォード』用については4年間という例外あり
(吉田ハンチング@dcp)