先に中国で「当局の許可なく勝手に資金を調達するな!」という法律が施行されるという件をご紹介しましたが、それはこういうことを取り締まるためなのか、と思わされるような事件がありました。
会社のシステムを利用して資金調達
中国『ZTE』といえば、アメリカ合衆国のブラックリストに掲載されている企業として有名ですが、元同社労働組合委員長の何某梅(女性)が、組合傘下にあった『中興宜和公司』『益和天成公司』という2つの会社を利用して、多くの人から資金を調達。
具体的にどうしたかというと、会社の持つ「中興E家」という電子商取引プラットフォームを使って「26回払いでいいから」と小口の資金を多数から集めたのです。
自分のWeChatやマイクロブログを使ってハイリターンをエサに投資するよう宣伝しました。労組委員長なので効果はてきめんでした。
で、集めた資金を個人的に
・不動産の購入
・リスクの高い信託金融商品の購入
・株式市場での取引、
・流用した会社資金の返済
・個人的な借金の返済、
・海外送金
などに使いました。財務上の損失や資金の返済が危うくなると、決算を粉飾して取り繕い、新たな資金を調達していたのです。
当局の調査によると、
8,819人の参加者、のべ2万5,580人の累積調達資金:21億1,900万元
3,921人の従業員への未返還の資産管理資金:8億9,900万元
3,921人の従業員への未返還の資産管理資金:8億9,900万元
と分かっています。
ばれて転落!懲役と個人財産没収
2017年07月11日に詐欺事件の舞台となった会社が資金流用の疑いで捜査を受けます。この直後、本人は服毒自殺を図って失敗し、入院。睡眠薬50錠を服用したとのこと。
で、2020年4月、何某梅に対して資金調達詐欺罪で15年、資金流用罪で7年、職務流用罪で6年の判決が出ました。計30年で個人財産2,000万人民元も没収です。
なぜこのようなことが明らかになったかというと、中国共産党の司法機関のホームページに掲載されたからです。
すごい話ですが、冒頭でも触れたように許可なき資金調達を禁じる法律が制定されるぐらいですから、このような事案は氷山の一角ではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)