おススメ記事
広告

結局「韓米ワクチンスワップ」はどうなった?米国はうやむやにした

広告

バイデン政権になってから初のアメリカ合衆国・韓国の首脳会談が終わり、先にご紹介した「ファクトシート・声明」が出されました。結局、文在寅大統領が渡米前にあれだけ話題になった「韓米ワクチンスワップ」なるものはどうなったのでしょうか。

結論からいえば、先に合衆国(企業)が韓国にワクチンを提供し、韓国は後で製造して返す(技術も合衆国から提供を受ける)という、厚かましい構想は通りませんでした(少なくとも2021年05月22日15:22時点でワクチンスワップを行うといった発表はありません)。

【和訳全文】米韓首脳会談のファクトシート・声明とは?
2021年05月21日、バイデン政権になってから初の米韓首脳会談が行われました。 バイデン大統領と文在寅大統領がどのような合意に達したのかについていろいろ報道が出ていますが、韓国メディアは盛って報道するかもしれません。なにせ青瓦台(大...

2021年05月21日に合衆国ホワイトハウスから出た「ファクトシート・声明」を読むと微妙です。

恐らく韓国側から相当食いつかれたようで、合衆国としてもできうる限りの表現を盛り込んだものになっています。

以下が「ファクトシート・声明」のワクチン協力の該当部分です。

国際的なワクチン協力を通じて感染症に対する共同対応能力を強化するため、包括的な「韓米(KORUS)グローバル・ワクチン・パートナーシップ」を構築する。

このパートナーシップに基づき、COVAXやCEPIとの連携を含め、世界各国へのCOVID-19ワクチンの供給を大幅に拡大することに積極的に協力する。

「韓米グローバル・ワクチン・パートナーシップ」なるものが作られる、と。で、「それぞれの強みを生かし、以下のような取り組みを行う」としています。

①合衆国と韓国は、ワクチンおよび関連原材料の製造能力を拡大するために協力し、世界的な利益のために科学技術協力を推進する。

②合衆国と韓国は、厳格な規制当局および/または世界保健機関の評価により安全性と有効性が実証されたワクチンの生産を拡大するために協力する。

韓国は、安全で効果的なCOVID-19ワクチンの需要の増加にタイムリーに対応するため、韓国内の製造施設における生産能力の拡大を提供する

合衆国は、生産上の制約について議論し、ワクチン製造に必要な原材料その他のコンポーネントのグローバルな拡大を目的とした専門家による協力を開始する

⑤合衆国と韓国は、グローバルな健康安全保障とパンデミック対策に焦点を当てた研究開発と科学的協力を促進する。

⑥韓国と合衆国はそれぞれ、感染症の分野でゴールドスタンダードの生物医学研究機関を有しており、ワクチン製造のための自発的な技術移転の重要性をグローバルに推進する

⑦COVID-19に関する共同研究や、将来の伝染病やパンデミックに対抗するための研究を促進することで、将来の伝染病の発生を防ぐ世界を共同で実現できる。

⑧COVID-19ワクチンの世界的な製造を拡大するためのパートナーシップを実施するために、両国政府の科学者、専門家、当局者からなる上級レベルの韓米グローバル・ワクチン・パートナーシップ専門家グループを立ち上げる。

番号は便宜上筆者が振りました

「ワクチンスワップ」の構想では、「先に合衆国が韓国にワクチンを提供する」としていますが、そのような内容は全くありません。

また、「後で韓国がワクチンを製造して返す」部分についてですが、韓国にはmRNAワクチンを製造する技術はありません。そのため、韓国が狙っているワクチンを製造するためには、どうしても技術移転をしてもらう必要があります。

上掲のとおり、③では「韓国は製造施設を拡大する」、④では「合衆国は専門家による協力を開始する」と書かれており、韓国は希望が持てるような内容です。

しかし、④の協力については、「必要な原材料」「その他の主要なコンポーネント」がグローバルに利用できるように――としており、「製造技術を移転する」などとはどこにも書いてありません。

技術について書いているのは、⑥ですが、これも「ワクチン製造のための自発的な技術移転」とあって、技術を持つ企業が「自発的に技術を開示すること」を世界的に推進しよう、とうたっているに過ぎません。

つまり、企業が「技術開示?イヤです」と言うならそこまでです。

さらにうがった見方をするなら、この項目は「韓国と合衆国はそれぞれ、感染症の分野でゴールドスタンダードの生物医学研究機関を有しており」と韓国をほめて始まっていますが、(ワクチンスワップで技術をくれと言うんだったら)韓国もグローバルに技術を開示したらどうなんだ、と勧めているようにも読めます。

というわけで、ワクチンスワップなる厚かましい構想が「ひょっとしたら可能なのかも」と思わせるような項目を盛り込んではいますが、ワクチンメーカーが技術開示を拒否している限りワクチンスワップなど不可能です。

ただし「ワクチンスワップなんかするわけないだろ」という文書でもないのです。韓国からワクチンスワップについて泣きつかれ「うやむやにする」ために作成されたように見えますが、読者の皆さんはどのように思われますでしょうか。

もちろん、このように「ファクトシート・声明」が出ていますので合衆国は韓国に協力してくれるでしょう。しかし、韓国のワクチン枯渇をすぐに救ってもらえる内容でないのは確かです。

(吉田ハンチング@dcp)

広告
タイトルとURLをコピーしました