2024年06月21日、韓国の企画財政部は、『国民年金公団』との為替スワップ(韓国政府の表記に合わせます)の規模を350億ドルから500億ドルに拡大すると発表しました。
以下が、企画財政部が出したプレスリリースです。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「外国為替当局、国民年金との外国為替スワップ取引限度を500億ドルで増額に合意」
↑プレスリリース内にあるスワップの仕組みについての説明です。
通貨当局(financial authority:中央銀行と政府)が国民年金側にドルを提供し、国民年金は通貨当局に等価となるウォンを渡します(1回目のスワップ:交換)。
満期が来たら、国民年金は借りたドルを通貨当局に戻し、通貨当局は等価のウォンを国民年金に戻します(2回目のスワップ:交換)。
なぜ、こんな面倒くさいことをするかというと、『国民年金公団』が巨額の資金を持つ投資家だからです。
『国民年金公団』は外国に投資しますので、その際には「ウォン売りドル買い」が発生します。この両替を市場で、しかも巨額行うと、当然「ウォン安」が進行します。
これを阻むために、韓国通貨当局は「オレが持ってるドルを貸す(お前の保有するウォンと交換する)ので、市場でウォン売りドル買いをするな」という仕組みを導入したのです。
簡単にいえば、ウォン安阻止、通貨防衛のための仕組みです。
面白いのは、上掲のとおり、通貨当局・国民年金ともに「早期精算の権利がないこと」です。
韓国政府が「うわっ、ドルがなくなってきた。お前、貸したドルを返せ」と急に言っても「できません」――なのです。
「500億ドル」に拡大するということは、韓国の通貨当局はこの「トンチ」みたいな施策に効果アリと見ているのです。
今回のプレスリリースには、「外国為替市場の需給不均衡の緩和に貢献できると判断している」と明記されています。
問題は「緊急時」です。
韓国は「ふたを開けたら外貨準備がすっからかんでした」ということがあった国です(市中銀行に貸し出していたetc)。
あのとき(アジア通貨危機時)と同じようなことにならないといいですね。
(吉田ハンチング@dcp)