アメリカ合衆国との関税交渉が一応落着した韓国ですが、一つ妥結していなかった品目があります。
半導体です。
今や韓国最大の輸出品目にして輸出拡大を一手に引き受けている半導体ですから(メモリー価格の上昇に依存しています)、半導体がコケると韓国経済自体が傾く可能性があります。
――で、またぞろトランプ大統領の言動に左右される韓国が戻って参りました。
韓国メディア『ソウル経済』の記事から注目ポイントを以下に引用してみます。
(前略)
ドナルド・トランプ大統領が、中国に輸出される『NVIDIA』の人工知能(AI)半導体チップ「H200」に25%の関税を課すことを確定させ、『サムスン電子』や『SKハイニックス』など韓国企業にまで圧力をかけ始めた。肝心の中国は、来る04月のトランプ大統領の訪中時に使うカードとして、H200の輸入を事実上禁止した状態にある中で、同盟国だけが流れ弾に当たる危機に直面した形だ。
仮にトランプ大統領が予告どおり韓国の半導体企業にも関税を課す場合、それは追加の対米投資圧力に直結する見通しだ。
これに応じられなければ、合衆国のメモリー半導体企業である『Micron(マイクロン)』などが市場での影響力を拡大する可能性もある。
(後略)
「流れ弾に当たる危機に直面した」が傑作ですが、右往左往している韓国政府の高官がいます。
産業通商資源部の呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長です。

↑アメリカ合衆国のラトニック商務長官と握手する呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長。交渉を継続するためにスコットランドまで追いかけたことがあります。
Money1でもご紹介したことがありますが、この呂翰九(ヨ・ハング)さんは対合衆国関税交渉でまさに右往左往させられました。
訪米して食わせ者のラトニック商務長官と膝詰め交渉に及び、これが終わらず、その後スコットランドに出張するラトニックさんを追いかけて現地まで飛びました。
問題はホワイトハウスが公表したファクトシートです。
韓国の通商交渉本部長が米国で「げえっ!」 帰国できなくなる

↑2026年01月14日に合衆国ホワイトハウスが出したファクトシート「Fact Sheet: President Donald J. Trump Takes Action on Certain Advanced Computing Chips to Protect America’s Economic and National Security」。
これには、
“In the near future, President Trump may impose broader tariffs on imports of semiconductors and their derivative products …”
「合衆国内での製造を促すため、近い将来にトランプ大統領が半導体およびその派生製品の輸入に対し、より広範な関税を課す可能性がある」
――と書かれています。
ここでいう「輸入」とは――、
❶合衆国外で製造され
❷合衆国に入ってくる
❸半導体そのもの、または半導体を中核とする製品
――を指しています。
合衆国向けに半導体を大量輸出している国・企業が対象ですね。
ファクトシート文脈では:
中国:制裁・規制の対象だが、すでに別枠で締め上げ済み
日本:最先端ロジック・量産メモリーが主力で輸出品目ではない
欧州:設計・装置中心(ASMLなど)
――ですから、
合衆国外で、合衆国向けに大量の先端・量産半導体を供給している国は事実上、
韓国
台湾
しかありません。
――というわけで「げえっ!」と仰天した呂翰九(ヨ・ハング)さんは、14日に韓国に帰る予定※だったのですが、急遽帰国を延期しました(大笑い)。
中国の王毅外相は「外遊に出ては、行く先々でワンパンチ喰らう」というキャラになってしまいましたが、呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長は「右往左往する」というキャラになりつつあります。
とにかく韓国は「半導体がずっこける」わけにはいきませんので、呂翰九(ヨ・ハング)さんの手腕・説得力に期待するほかありません。
もう何度だっていいますが、『サムスン電子』と『SKハイニックス』は韓国なんぞにいても仕方がありませんので、さっさと合衆国籍の企業になるべきなのです。
※そもそも何をしに渡米していたかというと、例の『クーパン』事件で合衆国から懸念を表明されていることについて説明(というか明らかに釈明)するために渡米していました。

(吉田ハンチング@dcp)






