お金がなくて破綻したのと従業員のほぼ半分が2年間の無給休職に入った件はどうしたのかと、驚くような話です。
↑『双竜自動車』プレスリリースにある新型電気自動車「コランドエモーション」
破綻した法定管理下にある『双竜自動車』ですが、2021年06月16日、「社の未来のために電気自動車の開発に乗り出す」というプレスリリースを出しました。
以下がその内容です。
・『双竜自動車』初の電気自動車の量産を行い、環境にやさしい車両開発を将来の製品戦略の中核事業として推進
・E100の車名を「コランドエモーション」と確定し、量産開始
……10月に欧州市場から順次発売予定
・中型SUV「J100」は『双竜自動車』の強靱さを表すユニークなデザイン
……電気自動車モデルのラインアップを拡張予定
↑プレスリリースにある開発ネーム「J100」。中型のSUVです
何よりも指摘したいのは、まだ買収企業も決まっておらず、いえその前に再建できるかどうかも分からないので、流動性(要は資金)など確保していません。
流動性が確保できるものとして書かれているのが驚きです。
先にご紹介したとおり、債権団のドンである『産業銀行』は確かな事業計画がなければ資金は出さないと明言しています。
ですので、このプレスリリースに書かれているのは同社の夢です。
また、これまで『双竜自動車』は内燃機関車しか生産したことがありません(プロトタイプの電気自動車を作ったことはあります)。
確かにエコカーが作れないとこれからの自動車業界では戦えないでしょうが、ノウハウが『双竜自動車』社内には皆無でしょう。このような計画を発表するのは、同社に価値があることを示すためのアピールとしか思えません。
夢を語るのは大事なことかもしれませんが、果たして実現可能性はどのくらいあるでしょうか。
※記事内PHOTOは全て『双竜自動車』プレスリリースから引用
PHOTO(C)『双竜自動車』
(吉田ハンチング@dcp)