中国語ネット上に製鉄会社が石炭会社に助けを求める書簡が流出し、注目されています。『首鋼集集団』材料部から『山西焦煤集団』への支援要請です。
『首鋼集団』は中国大手の鉄鋼メーカー、『山西焦煤集団』は最大手の石炭採掘・販売企業です。
何が起こっているかというと「石炭不足」です。
製鉄産業は炉を維持するために大量の燃料炭(コークス)が必要です。これがひっ迫した『首鋼集団』が『山西焦煤集団』に助けてくれと支援要請を行った、その書簡がネットに流出したのです(以下/『Weibo』に上がっていた書簡PHOTO)。
文書は2021年06月22日付けで、「『首鋼集団』燃料炭の緊急事態に関する支援要請書」というタイトルです。
以下のような内容です。
屯兰、马兰などの主要な鉱山が操業を停止し、『首鋼福山資源集団』(原料炭の採掘を行うグループ企業:筆者注)は鉱山事故によって完全操業停止に追い込まれたため、『首鋼集集団』の燃料炭の備蓄量は急激に減少しています。
主な原料炭と燃料炭の在庫は7日未満となっています。炭鉱生産の回復時期が不確実で、生産が停止されているため事故により少なくとも1カ月間は石炭が不足し、やがて枯渇します。
(中略)
この困難を乗り越えるために『山西焦煤集団』が石炭の供給元または港湾リソースを見つけるのを支援してくれることを願っています!
(後略)
※筆者意訳。強調文字は筆者による
このように石炭の供給がひっ迫している窮状を訴えたもので、どこかの港に石炭を積んだ船はないか捜してくれという要請までしています。
鉄鋼メーカーに燃料炭がないなら火力発電所では足りているのだろうか、という疑問が湧きます。先にご紹介したとおり、南部の省では電力不足が発生しているという報道が出始めています。
この流出文書が本物で、また電力不足の報道が真実なら中国の石炭不足は非常に深刻なものと考えられます。このような状況なのに、中国共産党政府はオーストラリアからの石炭輸入を制限しているのです。
(吉田ハンチング@dcp)