韓国の負の遺産にやっと一区切り、という話です。「平昌アルペンシアリゾート」は、2018年、韓国で開催された「平昌オリンピック」でメイン会場として使用されたのでご存じの方も多いでしょう。
実はこの施設は、実はずっと赤字続き。赤字の補てんは江原道が行ってきました。韓国政府は売却命令を出したのですが、これが全然売れずに現在まで漂流を続けてきました。
ついに負債が「1兆189億ウォン」(約998.5円)に達しましたが、このたび第5回公開競争入札でやっと『KH江原開発』という会社が落札しました。金額は「7,100億ウォン」(約695.8億円)。
そもそもが非常にヘンピな土地だったのですが、高速鉄道(KTX)が開通したおかげでソウルからは1時間半ほどとなりました。今回売却されたのは、
ヴィラ、会員制ゴルフ場
B地区
ホテル・コンドミニアム・ウォーターパーク・スキー場
で、「C地区:スキージャンプ台、バイアスロン競技場etc」は含まれていません。しかし、400億ウォン程度で追加売却交渉を進めているとのこと。
開発公社は「7,728億ウォン」の負債を抱えていたので、「7,100億ウォン」入ってくるわけですから、残りは628億ウォン(約61.5億円)になりそうですが……会員権分の2,600億ウォン(約254.8億円)は開発に投じた資金の負債には入っていませんから、負債残金は実際には「3,228億ウォン」です。
まだ「3,228億ウォン」もあって大丈夫なのかと心配になりますが、本件を報じた『毎日経済』の記事によると、開発公社は以下のように自信を見せています。
(前略)
利子払いが従来は年間150~200億ウォン規模だったが、今回の売却を通じて40億ウォン台まで小さくなり、緊縮財政を介して残りの債務は十分返済できる
(後略)
利子の支払いだけで年間150~200億ウォン(約14.7~19.6億円)もあったのかと驚きますが、これでは負債もなかなか減らないでしょう。韓国では日本よりもさらにスキーがレジャーとして一般的でないのでオリンピックの後、集客が思うようにいかず、前年のコロナ騒動でさらにお客さんが来なくて大変なことになっていたのです。
ともあれ、なんとか一応は買い手があったことで節目となりました。
(吉田ハンチング@dcp)