韓国の産業通商資源部から「2021年07月の輸出入実績」のプレスリリースが出ましたので、先回の速報の続きです。
輸出入・貿易収支は以下のようになっています。
2021年07月
輸出:554億3,600万ドル(約6兆508億円)
輸入:536億7,200万ドル(約5兆8,583億円)
貿易収支(輸出 – 輸入):17億6,400万ドル(約1,925億円)
韓国メディアでは2021年07月の輸出金額が「554億ドル」に達し、2021年は年間輸出額が6,000億ドル(約65兆4,900億円)を突破するかもなどと報じています。
確かに輸出金額は派手になってきていますが、韓国にとって重要なのはあくまでも貿易のもうけを示す「貿易収支」です。
先にご紹介したとおり、関税庁によれば07月01~20日はこの貿易収支は「-39億4,200万ドル」でした。これがなぜか上掲のとおり、07月01~31日では「+17億6,400万ドル」と黒字に転じました。
産業通商資源部は上掲のデータを「通関基準」「関税庁」としていますから、同じ関税庁のデータが基になっています。つまり、07月21-31日は「貿易収支:+57億1,200万ドル」だったことになります。
そうでないと、07月が「+17億6,400万ドル」になるのは不可能です。
この「不思議」な収支の締まり方は置くとしても、問題は「17億6,400万ドル」のままだと貿易収支が赤黒スレスレになる可能性があるということです。
もちろん国際収支統計になると貿易収支の黒字は膨らむようになっていますから、心配ないのかもしれません。
韓国メディアは「輸出金額が増えた!」部分にしか注目しませんが、貿易収支が「17億6,400万ドル」と非常に小さいことに目を向けるべきでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)