韓国では秋夕で2021年09月20~22日は連休で、株式市場もお休みです。
幕間狂言ではないでしょうが、韓国メディア『韓国経済』に興味深い記事が出ています。個人投資家が一手に株式市場を買い支えており、外国人投資家の空売りを規制しろ、という内容です。
まず、以下のデータをご覧ください。
2020年01月~2021年08月末
個人投資家:143兆ウォンの買い越し
外国人投資家:88兆ウォンの売り越し
機関投資家:55兆ウォンの売り越し
Money1では何度もご紹介していますが、外国人投資家は韓国市場から資金を抜くセルコリアを続けています。20カ月で88兆ウォン(約8.2兆円)ですから、かなりのものです。
対する個人投資家は143兆ウォン(約13.3兆円)と外国人投資家の1.6倍も買い越しているのです。
同記事では、韓国の個人投資家はこれだけ買い越して株価の上昇を支えているが、「外国人投資家の不当で不公正な空売りによって邪魔されており、損失を被っている」と主張しています。
以下に記事の一部を引用します。
(前略)
個人が上昇を主導した株式市場で機関と外国人は差益を確保しつつ、現物売りと空売りを介して躍起になって上昇を阻止している状況だ。
(後略)
上昇を躍起になって阻止しているのではありません。利益を得るために法律で許された手段を講じているだけです。
また、以下のようにも述べています。
(前略)
代表的な最大の問題は「空売り制度」です。空売り主体は個人投資家に比べ39倍の収益を出す――という『漢陽大学』イ・ムンア博士とジョン・サンギョン経営学部教授の論文が、今年1月に発表された。
個人投資家が一方的に損失を記録することは実力と情報不足に起因する点もあるが、それよりも空売りなどにより、株式市場の公平性がひどく傾いたという説明だ。
(後略)※引用元は同上。
この論文の中身はともかく、空売りは世界中の市場で認められた売買手法です。韓国市場では公平性を欠いているなどという主張は噴飯ものです。
このような主張の下に、同記事の筆者は空売り規制を行うべきだと主張しています。
(前略)
1,000万投資家の時代が開かれた現在、初めての国政監査が来る10月に実施される。『韓国株式投資家連合会』(韓投連)は、最近、国会政務委員会所属の24人の議員に空売り制度の改善を国政監査で扱ってほしいという書簡を発送した。
(後略)※引用元は同上。
このような主張が正当化され、空売り規制がかかった場合、韓国株式市場が先進国市場と認定されることなど絶対にないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)