小ネタかもしれませんが、興味深い記事ですのでご紹介します。
韓国メディア『韓国経済』に「大手の航空会社よりも優れている…コロナ危機に生存力高まったLCC」というタイトルの記事が出ました(2021年09月19日付け)。
「へー、韓国のどのLCC(格安航空会社)にそんな奇特な話があるのかしら」と読んでみたら、韓国のLCCの話は1ミリも出ていませんでした。
記事から一部を以下に引用します。
(前略)
17日(現地時間)、『CNBC』は「欧州の格安航空会社(LCC)は既存の大手航空会社(FSC)に比べてコロナ19余波を勝ち抜き回復する速度が速いと分析される」と報じた。コロナ19危機へでライトの運航が中断され、全世界の航空会社が大変な時期を過ごしているが、その中で低コスト航空会社の利点が明らかに明らかになったという指摘だ。
(中略)
イギリスの格安航空会社『イージージェット』は、今年7月から9月の3カ月の間に2019年の水準の60%まで飛行を行ったと集計された。
イギリス大手航空会社『ブリティッシュ・エアウェイズ』の場合、45%の回復が可能と見込まれるのに比べると、『イージー・ジェット』は良好な数値である。
ドイツ大手航空会社『ルフトハンザ』も、今年全体の飛行は2019年の40%水準に近いという悲観的な見通しを出した。
一方、アイルランドの格安航空会社『ライアンエアー』は3月の時点で年間乗客数が9,000万〜1億人の間に達すると発表したが、これは前年同期比60〜67%に達する水準だ。
(後略)
肝心の自国、韓国の格安航空会社については全く登場しません。理由は簡単で、この記事の主旨に沿わず、韓国のLCCは今も「飛ぶや飛ばざるや」という崖っぷちの経営状態にあるからです。
例えば、上場しているLCC大手4社の上半期の業績は以下のとおりです。
2021年上期(連結)
●『済州航空』
総売上高:1,158.0億ウォン(約108.9億円)
営業利益:-1,568.0億ウォン(約-147.4億円)
当期純利益:-1,337.6億ウォン(約-125.73億円)●『ティーウェイ航空』
総売上高:920.9億ウォン(約86.6億円)
営業利益:-796.6億ウォン(約-74.9億円)
当期純利益:-794.9億ウォン(約-74.7億円)●『ジンエアー』
総売上高:1,073.3億ウォン(約100.9億円)
営業利益:-1,088.6億ウォン(約-102.3億円)
当期純利益:-1,225.2億ウォン(約-115.17億円)●『エア釜山』
総売上高:796.4億ウォン(約74.9億円)
営業利益:-966.6億ウォン(約-90.9億円)
当期純利益:-1,103.2億ウォン(約-103.7億円)4社合計
当期純利益:-4,460.9億ウォン(約-419.3億円)
Money1では貸借対照表などもご紹介したことがありますが、キャッシュがショートしそうなので、有償増資、無償減資からの有償増資などを行い、必死に飛ばないようにしているのが現状です。
LCCの大手航空会社と比べてコロナ禍からの回復が早いというのは、韓国には当てはまりません。
(吉田ハンチング@dcp)