『Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)』の「Asia-Pacific Portfolio Strategy(アジア太平洋ポートフォリオ戦略)」リポートについて、韓国メディアがざわついています。
韓国メディア『聯合ニュース』の記事から一部を以下に引用します。
(前略)
『ゴールドマン・サックス』は前日発刊した「アジア太平洋ポートフォリオ戦略」報告書で、韓国証券市場への投資意見を「比重拡大」(Overweight)から「中立」(Marketweight)に下方修正すると明らかにした。『ゴールドマン・サックス』は「韓国内マクロの見通しが堅調にもかかわらず、成長鈍化、緊縮財政によるグローバル環境が友好的ではない方向に流れている」とし「グローバル経済に大きく影響を受ける韓国に逆風が迫ることがあり得る」と見た。
『ゴールドマン・サックス』はこれと共に来年のコスピ目標指数を3,700から3,350に下げた。
『ゴールドマン・サックス』が、韓国証券市場への投資についてはエクスポージャーを減らせという意見に転じたわけですが、これの影響がどのくらい出るかが気になります。
韓国経済の成長鈍化は、『韓国銀行』の公表データからも明らかです。2021年第2四半期に、コロナ禍からの経済回復が中折れし、第3四半期にはさらに大きくブレーキがかかりました。すでに第4四半期もあと1カ月しかありませんが、大きく回復したという様子はありません。
気になるのは、KOSPI(韓国総合株価指数)について述べた点です。
『ゴールドマン・サックス』は2022年の目標指数を「3,700」から「3,350」に下げた、とのことですが……。
以下のKOSPIのチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。
『ゴールドマン・サックス』が最初に掲げていた「3,700」ははるかな上ですが、下方修正した「3,350」はというと……上掲のとおり、2021年07~08月に届かなかった値で、ぐっと現実的です。
夢が持てる値ではなく、つまり『ゴールドマン・サックス』は「KOSPIにはそれほど期待はできないよ」といっているのに等しいです。
また、何度かご紹介しましたが、2021年初頭に『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は「KOSPIが3,300に達したらそれはバブルだ」と明言し、その言葉が見事に当たったかのようなプライスアクションになっています。
この李総裁の言葉と『ゴールドマン・サックス』の「KOSPIの目標値:3,350」は整合性が取れるのでしょうか。
KOSPIは本当にここからまた上がるのでしょうか? ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)