韓国の産業通商資源部が「09月の輸出入動向」を公表しました。定点観測のようなものですが、データを見てみます。
↑産業通商資源部のリリースから。GoogleChromeの自動翻訳なので日本語が一部ヘンですがご寛恕ください。輸出:558.3億ドル(約6兆2,128億円)
輸入:516.2億ドル(約5兆7,443億円)
貿易収支(輸出 – 輸入):42.1億ドル(約4,685億円)⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2021年9月の輸出入動向」
このプレスリリースでは輸出が11カ月連続で増加し、単月としては1956年以来65年ぶりの最高金額を記録、と書いています。しかも秋夕の連休で営業日数が2日少なかったのにこの金額を達成したと誇らしげです。
韓国は輸出一本で食べている国ですから、輸出が増加するのは良いことです。
しかし、もう何度だって言いますが、重要なのは「いくらもうかったのか」です。なぜなら、韓国の場合には、貿易のもうけを示す貿易収支の黒字が大きくないと、お金が海外に流れるばかりになってしまうからです。
上掲のとおり、輸出が過去最高などといっていますが、輸入金額も大きくなっているため貿易収支自体は「42.1億ドル」(約4,685億円)と大喜びするような数字ではありません。
論より証拠。
前年同期、2020年09月の輸出入動向がどうだったのか、同じ産業通商資源部の公表データから見てみましょう。
以下です。
輸出:480.5億ドル(約5兆3,470億円)
輸入:391.7億ドル(約4兆3,588億円)
貿易収支(輸出 – 輸入):88.8億ドル(約9,881億円)
上掲のとおり、コロナ禍まっただ中の2020年09月の方が、貿易のもうけを示す貿易収支の黒字は「88.8億ドル」(約9,881億円)と倍以上あったのです。
韓国にとって最重要な貿易収支だけで比べれば、なんと「53%減少」です。
これはいいのでしょうか。
もちろん、2020年は経済が弱って輸入も弱り、そのため貿易収支が大きくなるという、いわゆる「不況型黒字」の様相を呈していたため、このような現象が起こるわけです。
しかし、「輸出が増えたー!過去最高だ」ではなく、資源価格の高騰などによって輸入金額の増加幅が輸出金額の増加幅より大きくなり、貿易の利益が減ってきたという件はもっと知られるべきしょう。
(吉田ハンチング@dcp)