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韓国「外平債」の発行で「13億ドル」調達。外貨準備が潤沢なら発行せずに済むはず

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2021年10月07日、韓国の企画財政部が「外国為替平衡基金債券」(以下「外平債」と表記)についてのプレスリリースを出しました。

外平債は為替介入用の資金を調達するために発行される債券です。この債券を買ってもらい、対価として得た外貨は「外国為替平衡基金」に入り、為替介入用の原資になります。

そもそも為替介入用の外貨を集めますといって発行する債券というのも「いかがなものか」ですが、外貨準備が潤沢であれば、このような債券を発行しなくても良さそうなものです(借り換えについては理解できますが)。

以下が企画財政部のプレスリリースです。

グローバル市場の不安にもかかわらず外平債を成功裏に発行
――歴代最低の金利を達成し海外の強固な信頼を確認――

1.発行内容
□政府は2021年10月07日(木)00時20分、約13億ドル規模(ドル5億ドル + ユーロ7億ユーロ)の外国為替平衡基金債券を正常に発行した。

外国為替平衡基金への外貨調達を目的として発行され、発行資金は外貨準備高に運用

□今回の外平債は10年満期ドル債券・5億ドル5年満期ユーロ建て債券・7億ユーロに分け発行(dual tranche)された。

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「2021年には約13億ドル規模外平債の発行の結果」

今回発行された外平債は約13億ドル規模で、ドル建て10年物5億ドル、ユーロ建て5年物7億ユーロです。

表面利率は以下のとおりです。

ドル建て外平債
発行金額:5億ドル
満期:10年
表面利率:アメリカ合衆国国債10年物の金利 + 25bp1.769%

ユーロ建て外平債
発行金額:7億ユーロ
満期:5年
表面利率:ユーロミッドスワップ(5年) + 13bp-0.053%

ミッドスワップ金利:変動金利を固定金利に換算する際に使用する金利、ユーロ債の指標金利
データ引用元は同上

韓国の企画財政部が「最低金利」で発行できたと誇らしく述べているのは、「アメリカ合衆国国債10年物の金利」「ユーロミッドスワップ」にいくら利率を上乗せしたか、という点です。

韓国政府の発行する債券ですから、当然合衆国の発行する国債より利率が高くないといけません。安ければ、「それなら合衆国の国債を買うわ!」と誰も買ってくれないからです。

つまり、合衆国の発行する国債にいくら乗せるかで、その国の信用度が分かるというわけです。

今回の外平債は「25bp(ベーシスポイント)」「13bp」で済みました(1bp = 1毛)。

これは「韓国が国際的に信用されているからだ」というわけです。

合衆国の国債がまだしも低金利のうちにそれいけ!と発行した感もありますが、低金利で発行できたのはいいことです。

しかし、外貨準備高が潤沢にあるならそもそも発行しなくてもいい債券です。低金利で発行できた!と誇るのはいかがなものでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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