韓国の中央銀行である『韓国銀行』の公表している国際収支統計についてです。
「経常収支」の方はよくメディアに取り上げられるのですが、金融における資産・負債の増減、その収支を示す「金融収支」の方はあまり注目されません。
しかし、中に非常に興味深いデータがあります。「証券投資」(Portfolio investment)の中の債券(debt securities)の部分です。
「資産の部」が増えるのは、外国の債券に投資して資金が流出していることを示していますが、特に注目したいのは「負債の部」です。負債の数字が増えるということは、債券によって負債を増やしていることを示しています(つまり借金を増加させている)。
以下は『韓国銀行』公表の国際収支統計のデータの、債券の負債の部を切り出したものです。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト
上掲のとおり、『韓国銀行』と一般政府は、2021年01~08月に債券による負債を増やし続けています。
グラフにすると以下になります(長期債券です)。
そもそも中央銀行が債券で対外負債を重ねているというのがいかがなものか、ですが、韓国政府は月平均で「34.0億ドル」(約3,816億円)のペースで積み上げています。
07月には「76.8億ドル」(約8,619億円)と巨額に上っています。
合算してみると、『韓国銀行』と韓国政府合わせて01~08月は376.2億ドル(約4兆2,221億円)の負債が増えています。
国際収支統計なのでこれは対外負債です。つまり、外国に返済しなければならない借金です。なぜこれほど債券の負債を重ねる(外貨の調達をする)必要があるのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)