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「韓国は忘れない」と日本首相に叫んだ。「親北」「日帝残滓の清算」を遡り、盧武鉉(ノ・ムヒョン)に至る

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第16代大統領である盧武鉉(ノ・ムヒョン)さんを知らなければ、現在の韓国の政治状況を理解することは困難です。

なぜ現在の文在寅大統領はことあるごとに「積弊清算」と言い募り、北朝鮮を追慕する政策に固執するのでしょうか。

このような姿勢の裏には盧武鉉大統領の影を見ることができます。

盧武鉉は何を最重要と考えていたのか

韓国の希望 盧武鉉の夢』という本があります。この本は、2002年02月、『民主党』(当時)の大統領候補予備選挙が始まる直前に韓国で出版されました。

大統領になる直前の盧武鉉さんにインタビューしており、盧武鉉という人物が何を考えて大統領になろうしたのか、大統領になったら何をしようというのか、を窺い知ることができます。

同書内に盧さんが、政治家として自身が成すべきことを述べた箇所があります。以下に引用します。

(前略)
:政治をしながら感じる最も大きな悩みは、実際に政治家がやるべきことと国民の要求が一致していない点です。私が最も重要だと考えることを国民は要求しません。

国民のために重要なことなのに、国民は関心がないのです。極めて残念なことであり、困ったことです。

(中略)

:テレビ討論会にご不満が多いようですね。

:討論しなければならない本当に重要な問題がもっとあるじゃありませんか。解放後我々がいつもぶつかってきた大きな課題のことです。

統合した民族国家を建設し、日帝の残り滓を清算して民主主義国家を建設するということ、そういうことが今でも最も重要なのに、政治家たちにそうした判断がなかったために機会を逸しました。

⇒引用元:『韓国の希望 盧武鉉の夢』編集:盧武鉉/翻訳:青柳純一,現代書館,2003年01月15日第二版発行,pp48-49
赤アンダーライン、強調文字は筆者による

このように、盧武鉉さんは「政治家が行うべき最も重要なことは、南北の統一と日本による朝鮮併合の残滓を清算すること」と明確に述べています。

国民の要求することよりも、この2つこそが大統領になってやりたかったことだったのです。実際、大統領になった盧武鉉さんは自身の信念のとおりに動き、日本との軋轢(あつれき)を拡大しました。

韓国の政治家に盧武鉉の影

上掲のように、同書で盧武鉉さんが語っていることは文在寅さんが大統領就任以降行ってきたことのママですね。

これは当然のことです。文在寅という人は、釜山で盧さんと共同で法律事務所を開いた経験を持つ政治的な同志なのです。文政権が第2次盧武鉉政権といわれる所以です。

しかし、文在寅さんだけではありません。例えば『共に民主党』の大統領候補となった人物は全て盧さんの影響下にあります。

●文在寅(ムン・ジェイン)
盧武鉉政権で民情首席秘書官

●秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官

第16代大統領選挙の際の盧武鉉候補キャンプ・国民参加運動本部共同本部長

●李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事

「司法試験に合格した後、司法研修院で盧武鉉の講演を聞きながら、弁護士になるという決意をした」と発言。

●丁世均(チョン・セギュン)前首相

盧武鉉政権で産業通商資源部の長官

●李洛淵(イ・ナギョン)

盧武鉉政権で報道官

●金斗官(キム・ドゥグァン)議員

盧武鉉政権時代の2003年に行政自治相を務める

●朴用鎮(パク・ヨンジン)議員

盧武鉉突風に次ぐ韓国の政治の大改革を約束します」「私は予備選挙で勝利し『共に民主党』の大統領候補になり、金大中盧武鉉文在寅に続き第4の民主改革政府の大統領になるだろう」と発言

これは『民主党』につながる人たちだからと思われるかもしれませんが、保守と見られている野党『国民の力』の大統領候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検察総長ですら、テレビ番組に出演した際、「盧武鉉大統領を偲んで歌う」と愛唱歌をカラオケで披露しました。

日本では「反日に勤しんだ大統領」「ちょっとヘンな人だった」「酋長」などの評価になるかもしれませんが、盧武鉉さんは現在の韓国の政治家に多大な影響を与えた存在なのです。

また、韓国の政治家に盧武鉉さんの影響力が強いということは、「親北」「日帝残滓の清算」の2つについても広く共有されている、と考えなければなりません。日本にとっては厄介な話ですが。

日本と盧武鉉大統領

上記のとおり、盧武鉉大統領は「日帝の残滓は清算しなければならない」と考えていたため、日本ともめました。

若い世代はご存じないかもしれませんが、日本の小泉純一郎首相との会談であった一幕はあまりにも有名です。

(前略)
かつて二〇〇五年十一月に韓国・釜山で開かれた小泉純一郎首相と盧武鉉大統領との会談。

このときは、盧武鉉が小泉の靖国神社参拝を強く批判。約三十分の会談の半分を歴史認識問題に費やした。

盧は「首相の靖国参拝や最近の多数の政治家による産廃は韓国に対する挑戦だ」と指摘したが、小泉は「敗戦から今日に至るまでの平和の歩みを誇りに思っている」と真っ向から反論した。

当時、会談に出席した関係者によれば、最後は時間切れだとして席を立った小泉の肩越しに、盧が追いすがるように「韓国は忘れない」と叫ぶ場面もあったという。
(後略)

⇒参照・引用元:『ルポ 絶望の韓国』著:牧野愛博,文藝春秋,2017年05月19日刊行,p35

小泉首相は話がかみ合わないので時間切れと席を立ったのですが、盧大統領が小泉首相の背中に「韓国は忘れない」と叫んだというのです。

この叫びは、日韓関係を象徴するかのようです。未来永劫「韓国は忘れない」と叫び続けるのかもしれません。

(吉田ハンチング@dcp)

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