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「韓国を先進国に入れろ」と要求!「韓国は『IMF』に助けを求めた経験があるから」と意味不明な主張

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韓国は自国が先進国であるかどうかを妙に気にしますが、先にご紹介したとおり、「MSCIという株式の取引を行う人の中では有名な指標(INDEX)では先進国市場(Developed Market)には分類されていません。

「MSCI」では韓国は「新興国市場」(Emerging Market)に含まれています。

これが気に入らないらしく、韓国の経団連と呼ばれる『全国経済人連合会』が、「MSCI」に「韓国を先進国市場に入れる」ように要求しました。

韓国株式市場を先進国市場に入れるべ5つの理由

『全国経済人連合会』は本件についてのプレスリリースを2021年05月06日に出しています。

同リリースによれば、要望書自体は05月04日に提出したとのこと。要望書では主に以下の5点を主張しています。

①韓国の1人当たりのGNIは先進国市場入りの要件を満たしている
②ウォンは全世界の通貨取引量のTop10に入っている
③日韓の株式市場の評価がダブルスタンダードである
④外国人投資家の利便性を向上させるために「MSCI」の課題に取り組んでいる
⑤相場情報の利用率の向上のための韓国の努力を認めねばならない

①のGNI(Gross National Incomeの略:国民総所得)うんぬんについては、「MSCI」の定量指標の要件では、

1.1人当たりのGNIが高所得国の基準値(1万2,376ドル)比125%以上を3年連続で継続
2.証券市場内で時価総額28億ドル以上の企業が5社以上あること
など

であり、すでに満たしている、と主張しています。

②の通貨取引量では、同リポートでは『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)のデータを引いています。

ドルユーロ:24.0%
ドル円:13.2%
ドルポンド:9.6%
ドルオーストラリアドル:5.4%
ドルカナダドル:4.1%
ドル人民元:4.1%
ドルスイスフラン:3.5%
ドル香港ドル:3.3%
ユーロポンド:2.0%
ドルウォン:1.9%

『IMF』に助けてもらったからナニ?

ただし、「MSCI」は通貨の取引量を基準にしているわけではないのです。

実は、韓国を先進国市場に入れない理由については「韓国域外での為替市場がなく、外国人投資家が資金の両替に不便である」という点を指摘しています。

ローカルカレンシーであるウォンに換えて投資し、収益を両替するのに不便であるから先進国市場ではないといっているのです。

これに対して『全国経済人連合会』は、以下のような意味不明な抗弁を行っています。

(前略)
全経連は、「MSCI」が主張する韓国の域外外国為替市場がないという点については、マクロ経済、金融政策などを総合的に考慮すべき事案であり、特に『IMF』に救済金融の申請を行った経験がある韓国の特殊性を考慮する必要があるという意見を表明した。
(後略)

意味が分かりません。『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)に助けを求めた経験があるからどうだというのでしょうか。だから余計に先進国とは評価できないのではないでしょうか。

日本と韓国では「扱い」は同じではない

③で突然日本が巻き込まれていますが、これは「配当の決定が配当落ち日以降に決まる」という点で、日本市場も「MSCI」から「Information Flow(情報の伝達)に問題がある」と指摘されたことをいっています。

株式を保有していると企業から配当が出ますが、それがいくらになるのかは配当落ち日以降にならないと分からないのはダメだ、という指摘です。

株式の取り引きをしない方はご存じないかもしれませんが、「配当落ち日」というのは、「この日まで株式を持っていると配当が出ますよ」という日の翌営業日のことです。

つまり、「配当の決定が配当落ち日以降に決まる」と、「これだけ配当が出るのなら株式を売らないで持っておこう」という判断ができませんし、配当を期待して持っていたのに「配当が少なかった」あるいは「無配(配当を行わない)」などになる可能性もあります。

日本と韓国は同じようにこれを指摘されたのに、日本は「問題なし」となってまだ先進国市場にいるのに韓国は新興国市場にとどめられている――これは評価のダブルスタンダードだというのです。

しかし、日本市場と韓国市場では規模が全く違いますし、韓国と違ってハードカレンシーを持つ国であり、世界最大の債権国で、GDPで世界第3位と経済規模も段違いです。「MSCI」も韓国と日本を同じように扱うことはできないでしょう。

常に「英語」でタイムリーに情報を流しましょう

また、この一点だけを取って「MSCI」が韓国を「Information Flowに問題がある」としたのか甚だ疑問です。

というのは、「MSCI」は、

Detailed stock market information is in general disclosed in a timely manner but not always in english.

詳しい株式市場の情報がタイムリーに開示されて入るが、常に英語でというわけではない。

という指摘も行っているからです。

さらに、「④外国人投資家の利便性を向上させるために「MSCI」の課題に取り組んでいる」です。2020年03月10日に突然「明日から全面空売り禁止」だとしてその措置が1年2カ月も続く国の市場が「外国人投資家の利便性を向上させている」といえるのでしょうか。

⑤の「認めなければならない」については上から目線ですねという話です。

いずれにせよ、「MSCI」は06月に指標の見直しを行います。韓国の主張どおりになるかどうかにご注目ください。

正確には「MSCI」は(Morgan Stanley Capital International:モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)で社名。「MSCI指数」と言うと長いので、指数のことを指す場合もたいてい「MSCI」で済ませます。インデックスは「MSCI指数」。同社は約19万以上の指数を算出、公表しています。

⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「全経連、モルガンスタンレーに韓国の先進市場昇格を提案『韓国の株式市場がMSCI先進市場指数に含まれるべき5つの理由』」

(吉田ハンチング@dcp)

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