本命が来ました。
「尹さん vs 洪さん」は下馬評どおり接戦だった
2021年11月05日(金)15:00過ぎ、韓国最大野党『国民の力』が統一大統領候補を選ぶ最終選挙の結果を公表しました。
結果は、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検察総長が第1位となり、正式な『国民の力』の統一候補となりました。
↑選挙結果の発表会はYouTubeでライブ中継されていました。14:00~の予定でしたが15:00前にやっと始まりました。/スクリーンショット
選挙は党員投票と一般国民投票の結果を50%ずつ反映させる方式で行われましたが、注目度は非常に高く、党員投票率は63.89%に達しました。
全党員56万6,059人のうち「36万3,569人」が投票しており、「63.89%」は史上最高の投票率です。特に本予備選の投票直前、2021年09月末までに駆け込みで新規党員が19万人も増え、これが投票率を押し上げました。
カットオフをくぐり抜け、今回の最終選挙の臨んだ4人の候補者の得票率は以下のとおりです。
●元喜龍(ウォン・ヒリョン)
⇒得票率:3.17%
現在の済州道知事。
上掲のとおり、尹さんが「47.85%」を取りましたが、下馬評どおり、尹さんと洪さんの一騎打ちの様相で、洪さんも「41.50%」を取っています。
尹さんは過半数を取っていませんので、与党『共に民主党』のように、「第1位の候補者が過半数を得票できなかった場合は決算投票」という規定であれば、けっこう票読みは難しかったかもしれません。
「常識の尹」と「非常識な李」の戦い
尹さんは勝利が確定した後の「統一候補受諾演説」で政権交替への決意をにじませませました。
演説から印象的な言葉を以下に挙げます。
国民の力大統領候補に選出された尹錫悦(ユン・ソギョル)です。
喜びより厳しい責任感と政権交代の重い使命感を感じます。
新しい道、初めてのことだったので不足も多かったのですが、政権交代を熱望する国民の大きな支持と励ましでここまで来られました。
今日この席には勝者も敗者もありません。私たちが来年3月9日に勝利したら、誰もが勝利者になるでしょう。そうならなければ、私たちは全員敗者として記録されます。
私は「人に忠実ではなく、国民にのみ忠実」という信念で生きてきました。
公職者はいつも国民を扱うとき正直でなければならないという、その原則を持って突き進んできました。
私のこの勝利を政権は非常に恐れて、痛打と感じるでしょう。
曹国(チョ・グク)の偽善、秋美愛(チュ・ミエ)の傲慢を崩した工程の象徴だからです。文在寅政権の正当性を崩す致命的な痛みだからです。
いかなる政治工作もこの尹錫悦(ユン・ソギョル)を崩すことはできません。
どんな政治工作も国民の政権交代に対する熱望を崩すことはできません。
尹錫悦(ユン・ソギョル)はもう一人ではありません。公正と正義の回復を望む国民の念願になったからです。国民が私を守ってくださるからです。
今回の大統領選挙はいつもの大統領選挙ではありません。国の存亡がかかった絶体絶命の選挙です。
政権交代を達成できなければ、法治の蹂躙は続きます。
非常識が常識になり、『共に民主党』の逸脱に翼をつけてやることになります。彼らが腐敗が明らかになるのを防ぐために国の法秩序をどれだけ歪めることでしょうか。
文在寅政権の所得主導成長と不動産暴騰は「財産の略奪」です。
悪性ポピュリズムは「税の略奪」です。
1,000兆を超える国家債務は「未来の略奪」です。
政権交代がなければ、国民の略奪は露骨になり、常態化、構造化されます。
全体主義国では、指導者の「独断」で問題を片付けます。
民主主義では、対話と妥協だけが解決策です。
国民の言葉を聞く大統領になります。責任を取るは大統領になります。
理念に取り込まれ、専門家を無視する指導者はもう要りません。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
尹さんは、現在の文政権・『共に民主党』に対する痛烈な批判を述べ、対決姿勢を鮮明にしました。尹さんの言いようでは、『共に民主党』の統一大統領候補・李在明(イ・ジェミョン)さんは、尹さんの「常識」に比して「非常識」ということになります。
つまり、今回の韓国の大統領選挙は「常識 vs 非常識」というわけです。
尹さんの言い方を借りるなら、来る2022年03月の大統領本選で、果たして常識は勝つことができるでしょうか?
(吉田ハンチング@dcp)