小ネタかもしれませんが、次期大統領をにらんだ、韓国の与党・政府内の「なんだかなぁ」な話なのでご紹介します。
「もう一度、災害支援金をまこう!」という「票を買う話」
先にも触れましたが、政府与党『共に民主党』内部で、再び災害支援金を給付しようという検討が始まっています。
そもそもこれは、2022年03月に投票が行われる次期大統領選挙に向けた、人気取りのばらまき政策だと考えられます。韓国では選挙のたびに政権側はこの手のバラマキをちらつかせます。
2021年04月のソウル・釜山市長補欠選挙でも、やれ「新国際空港だ」「日韓トンネルだ」などの投資話が出ましたが、あれと同じです。
恐ろしいことに、釜山の加徳島新国際空港については、文大統領が国土交通部長官を叱責までして法律を制定。事実上、造ることを決定してしまいました。
それでも釜山市長選挙で『共に民主党』は惨敗、失笑を買ったわけですが、韓国ではこのような、簡単にいえば「票を買う」行為がまかり通ります。
ここにきて「さらなる災害支援金を給付」などという話になっているのは、このおなじみの流れに沿ったものと考えられます。
国民は追加支援金は望んでいない
これにプラスして『共に民主党』の統一大統領候補となった李在明(イ・ジェミョン)さんへの忖度が加わっています。李さんの「国民1人当たりに100万ウォンを支給しなければならない」という主張に、もう阿(おもね)る向きがあるのです。
確かに、李さんが大統領になる可能性は低いものではありません。今からご機嫌を取っておこうとへつらう人種が出るのも分からないではありません。
しかし、国政に携わる者が、権力者(しかも将来の権力者)のご機嫌を取るためという動機で物事を決めるのはいかがなものでしょうか。
「国民が望んでいるから行うのだ」などと言うかもしれませんが、少なくとも韓国メディア『毎日経済』のアンケート調査によれば、「全国民に対する災害支援金の追加給付」に反対する人は「58.5%」に達しています。賛成する人は「37.3%」に過ぎません※。
わずか1,000人ほどの調査結果ですが、しかし多くの国民は望んでいません。
李在明(イ・ジェミョン)さんは、政府・与党の「追加給付検討」について「私が言ったわけではない」などと述べています。
李さんに忖度した人たちが動いているわけですから、いささか卑怯な態度と申せましょう。欧州から戻った文大統領がどのような判断を下すのかが見物です。
だんまりを決め込むか、「必要だ。やろう!」と言うか、読者の皆さまはどちらだと思われますか?
※全国満18歳以上の男女1,036人にアンケート調査を実施した結果とのこと
(吉田ハンチング@dcp)