2020年、韓国の造船業界は「カタールから100隻のLNG運搬船を受注!」と湧きました。
カタールの国営エネルギー企業『Qatar Energy(カタール・エナジー)』(Qatar Petroleum(カタール・ペトロリアム)から社名変更)は、LNGの生産拡大を企図しており、輸送船を74隻から190隻に増やす計画を持っています。
このような計画の下に、韓国造船企業は2020年05月『カタール・ペトロリアム』(当時)との間でLNG運搬船の建造契約を締結しました。
1隻ざっくり2億ドル(約227.2億円)として、100隻ですから200億ドル(約2兆2,722億円)もの売上になります。
しかし、締結したのはスロット契約で、「その分のドックを開けといてね」というものでした。
本発注は以降に行われ、スロット契約を締結したからといって全数発注がくるとは限らないのです。
実際、韓国造船企業は『カタール・ペトロリアム』(当時)と2004年に「90隻以上」というスロット契約を締結しましたが、実発注は53隻にとどまりました(本発注されたのは58.9%)。
というわけで、本当に100隻分の発注がくるのか注目されていました。
2021年11月07日、『カタール・エナジー』は2020年05月の契約の一環として、
『大宇造船海洋』:4隻
『サムスン重工業』:2隻
小計:6隻
『サムスン重工業』:2隻
小計:6隻
の本発注を明らかにしました。納品までのスケジュールや「いくら」で受注できたのかは明らかになっていません。
『カタール・エナジー』はこれに先だって、2021年10月、中国の国有造船企業『滬東中華造船(Hudong)』に4隻のLNG運搬船を発注しています。
さて、韓国企業は残り94隻を受注することができるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)