<<重要な追記>>
初出の記事で、「輸入金額の『対前年同月比の増減』」のグラフが誤っていたので修正いたしました。誠に申し訳ありません。
<<追記ここまで>>
2023年09月01日、韓国の産業通商資源部、および関税庁が「2023年08月の輸出入現況」を公表しました。
これで暫定版ながら08月が締まりました。
08月01~20日の20日間で、貿易でのもうけを示す「貿易収支」は「-35億6,600万ドル」でした。
これは非常に読みづらい微妙なラインで、先の記事で
「文政権下なら、最後の10日間で平気で黒字にひっくり返すでしょう。尹錫悦(ユン・ソギョル)政権ですので、恐らく08月はうまくいって薄い黒字というところです」
と書きましたが、当たりました。良かったです。
以下をご覧ください。
2023年08月
輸出:518億7,000万ドル(-8.4%)
輸入:510億100万ドル(-22.8%)
貿易収支(輸出 – 輸入):8億6,800万ドル2023年01~08月累計
輸出:4,093億4,900万ドル(-12.4%)
輸入:4,333億1,800万ドル(-12.1%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-239億7,000万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「’23年8月の輸出入の現状」
結局、08月はわずか「8億6,800万ドル」のうっすい貿易黒字で締まりました。
01~08月累計では「-239億7,000万ドル」の大赤字です。
2023年は残り4カ月でこの数字です。
ここまでの貿易収支(通関ベース)の推移(2022年01月~2023年08月)を見ると以下のようになります。
まあ見事に赤字ばかりですが、2023年01月の「-126.2億ドル」を天底に08月の「8億6,800万ドル」まで右肩上がりを続けています。
これをもって韓国メディアでは復調と書くかもしれませんが、安心などはできません。
まず、韓国にとって死活的な輸出が「減少」でとどまっているからです。以下は、2023年01~08月の輸出金額の「対前年同月比の増減」の推移です。
上掲のとおり、2023年はここまで2022年同月の輸出金額を上回った月が一度もありません。
にもかかわらず、なぜ貿易収支が黒字になったのかというと、輸出金額の減少幅よりも輸入金額の減り方の方が大きいからです。
輸入金額の「対前年同月比の増減」の推移を見ると以下のようになります。
特に07月・08月の輸入金額の減少幅は大きく、それぞれ「-25.4%」「-22.8%」となっています。
輸出が伸びない中、これで黒字だといわれても困るのです。
韓国の情勢はまたしても「不況型黒字」の様相を呈しているのです。
(吉田ハンチング@dcp)