韓国「超純水」で「7割の特許を押さえる日本」に挑む。設計・施工・運営は90%以上を日本に依存!

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韓国経済の屋台骨を支える半導体産業ですが、半導体製造に欠かせない素材・部品・装備は日本に大半を依存しています。

2019年07月の日本の「輸出管理強化」以降、この日本依存からの脱却を文在寅政権は目指してきました。先にご紹介した、フッ化水素のウソでした問題や、フォトレジストの国産化などは日本依存をやめるための努力の中で起こったことです。

日本が輸出管理を強化した「フッ化水素」「フッ化ポリミイド」「フォトレジスト」の三品目以外でも、韓国の努力は続いています。最近注目されているのが「超純水」(Ultra Pure Water)です。

半導体産業には「超純水」が必須

半導体産業はを大量に消費するといわれます。「水不足で台湾のファウンドリーがピンチ!」「『サムスン電子』の合衆国ファウンドリーが断水(と停電)で停止!」といったこともありました。

特に夾雑物を極限まで除いた「超純水」は重要です。超純水は半導体製造で必要な水のうち50%を占めるといわれています。超純水はウエハーの洗浄などに用いられ、夾雑物があると不良品が発生し、歩留まりが悪くなります。

韓国では超純水を製造する技術がなく、その設計部分は100%を日本の技術に頼っているのですが、韓国の『SK Siltron(シルトロン)』が2021年11月16日、自社工場内に超純水の実証プラント施設の建設に着手しました。

これには『韓国水資源公社』も協力しています。

『SKシルトロン』はシリコンウエハーの製造メーカーで、超純水の製造がうまくいけば、自社のラインへの投入することになります。


↑『ハンソン・クリンテック』のホームページ。スクリーンショット

韓国メディア『イートゥデイ』によれば、この実証施設に参加している『ハンソン・クリンテック』のイ・ジョンソプ代表は、「国内の超純水市場は日本など海外企業が占めているが、決して国内技術力は低くない」と話した――とのこと。

⇒引用元:『イートゥデイ』「イ・ジョンソプ『ハンソン・クリンテック』代表『国産超純水の品質が証明されれば海外市場に目を向ける』」

『韓国水資源公社』は、

2025年までに、
超純水設計技術100%、施工技術60%国産化
1日2,400トンの超純水を生産するプラント建設

を目論んでいます。

日本の圧倒的優位を4年でひっくり返そうという話

上記のとおり、現在は設計に日本に100%依存しているのを、わずか4年間で「韓国100%」にしようというビッグな企画です。しかも、設計だけではありません、施工、運営を入れても90%以上日本に依存しているのです。

さらに、超純水の製造特許は「71%」を日本が保有しています。どうやって4年間でこれを覆すことができるのか不明です。

『イートゥデイ』では以下のように書いています。記事の一部を以下に引用します。

政府は2019年、日本の輸出規制措置(原文ママ:筆者注)に対抗して超純水国産化を推進してきた。

韓国と中国、台湾は全世界で半導体製造能力の約80%を占めており、半導体リーダーである韓国の超純水使用量は世界的に高い割合を占めている。

しかし、超純水技術特許は日本が71%を保有しており、半導体を生産する限り日本に従属するしかない構造だ。

⇒参照・引用元:『イートゥデイ』「【半導体超純水】設計から運営まで『K超純水』、日本特許の束縛を解く」

代表は次のようにも述べています。

(前略)
「国内超純水生産工程の前処理およびび純水処理設計レベルは、実績と経験を比較すると、海外技術と対等な水準だが、設計保証に対する信頼不足で産業現場で国内設計の適用が忌避されている
(後略)

信頼不足なのが原因で製造現場から避けられている、というのです。その信頼を4年間で得られるようになるのか、お手並み拝見です。

また、半導体製造の現場は国産の超純水を実際のラインに投入するでしょうか。ご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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