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韓国の経常収支「39.8%」も減少。輸入500億ドル超でもうけが大幅減

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2021年12月07日、『韓国銀行』から10月の国際収支統計が公表されました。結論からいえば、昨年同月から大きく経常収支が減少しました。

以下です。

2021年10月
貿易収支:56億3,760万ドル
サービス収支:6億2,560万ドル
第1次所得収支:6億7,020万ドル
第2次所得収支:1,210万ドル
経常収支(上記4つの合計):69億4,950万ドル

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年10月国際収支(暫定)」

まず、当月の特徴は貿易収支・サービス収支・第1次所得収支・第2次所得収支の4つが全て黒字になっていることです。韓国の場合、この経常収支を構成する4つの要素が全て黒字になることは普通ありません。

韓国は、

貿易収支:大きな黒字
サービス収支:赤字
第1次所得収支:小さな黒字
第2次所得収支:小さな赤字

というのが常です。それが、第2次所得収支がわずか「1,210万ドル」ですが薄いながらも黒転して、4つとも黒字になるという非常に珍しい状況になっています。

次に、経常収支が対前年同月比で大きく減少したことです。

当月は「69億4,950万ドル」ですが、2020年10月は「115億5,120万ドル」もあったので、「46億170万ドル」の減少。

対前年同月比で「39.8%」も経常収支の黒字が減少しています。

この原因は、貿易収支が減少したからです。比較すると以下のようになります。

貿易収支
2020年10月:101億6,730万ドル
2021年10月: 56億3,760万ドル
-45億2,970万ドル44.6%減少

2020年10月は貿易収支の黒字が100億ドルを超えていますが、これは不況型黒字の典型的なもの。

2020年10月
輸出:465億9,620万ドル
輸入:364億9,620万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):101億6,730万ドル

上掲のとおり、輸入が「364億9,620万ドル」にとどまったため、貿易のもうけを示す貿易収支が100億ドルを超えてしまったのです。

輸入も消費ですから、景気が戻って消費が復調してくると、貿易のもうけは減ってくるのです。

しかし、2021年10月の輸出入・貿易収支を見ると以下のようになっています。

2021年10月
輸出:559億7,350万ドル
輸入:503億3,590万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):56億3,760万ドル

ご覧のとおり、ついに輸入が500億ドルを突破しました。

以下は2021年に入ってから10月までの国際収支統計での輸入金額の推移です。

上掲のとおり、輸入金額は上昇してきています。

これは読者の皆さまご存じのとおり、資源価格などが急騰していることによります。韓国からすればこれは明らかにオーバーシュートで困った事態です。貿易のもうけが減りますので。

これまで、関税庁の通関ベース統計では輸出よりも輸入の増加幅が大きく、結果、貿易収支が減少しているのに、なぜか国際収支統計の方ではその傾向は現れてはいませんでした。この10月になってようやく輸入金額の増加が顕著に貿易収支を圧迫していることが見て取れるようになりました。

韓国メディアは例によって「輸出が増加した」と喧伝するでしょうが、韓国にとって重要なのは「貿易収支でいかに大きな金額を積み上げるか」です。それが縮小するのでは、喜んでいる場合ではありません。

(吉田ハンチング@dcp)

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