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【和訳全文】韓国文大統領の野望に米が待った!「米議員が終戦宣言に強い反対表明」

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何度もご紹介しているとおり、韓国文在寅大統領は「朝鮮戦争の終戦宣言」を出すために全力を挙げています。

しかし、2021年12月07日、アメリカ合衆国の議員から強烈な反対表明が出ました。

Young Kim(ヤング・キム)議員とは共感する34人の議員と共に、Jake Sullivan(ジェイク・サリバン)国家安全保障顧問に対して、「朝鮮戦争の終結宣言に強く反対する」旨の意見書を送りました。

以下がその共同書簡とその和訳全文です。

冒頭に「韓国と合衆国の政治家が最近、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)との対話を再開するためのきっかけとして、朝鮮戦争の正式な終戦宣言を支持するよう求めている」とあることにご注目ください。

Dear Mr. Sullivan,
サリバン氏へ

私たちは本日、韓国と米国の政治家が最近、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)との対話を再開するためのきっかけとして、朝鮮戦争の正式な終戦宣言を支持するよう求めていることについて、あなたに手紙を書きました。

私たちは、この宣言が平和を促進するのではなく、朝鮮半島の安全保障を著しく損ない、不安定にするものではないかと重大な懸念を抱いています。

私たちはまた、あなたがこれまでに示してきた慎重なアプローチを支持し、この戦略の明確な危険性とリスクについて、韓国のカウンターパートと協力することを強く求めます。

平和を手にするためには、双方がそれを維持する決意を持たなければなりません。

これまでのところ、金正恩氏は、自ら「時期尚早」とした終戦宣言の追求に関心を示していません。

金正恩は、和平交渉の前に制裁緩和を最優先すべきだと繰り返し述べていますが、一方でミサイルの発射や北朝鮮の核兵器プログラムの開発を続けています。

北朝鮮を交渉のテーブルに戻すための手段として宣言を支持する主張は、平壌では聞き入れられていません。

さらに、金正恩体制が平和協定の条件を守るという説を裏付ける歴史的な前例もありません。

朝鮮民主主義人民共和国は、韓国、合衆国、国連との間で結ばれた拘束力のある協定に何度も違反しており、核兵器開発や深刻な人権侵害に対する制裁を逃れるために違法行為を続けています。

平壌はまた、長年にわたる南北間の休戦協定を頻繁に違反し、無効であると繰り返し宣言しています。

終戦宣言は、半島に駐留する米軍と地域の安定に深刻なリスクをもたらします。

早期の平和条約締結は、北朝鮮が、合衆国軍の目的が北からの侵略を抑止することであることを踏まえ、合衆国軍南朝鮮部隊の解体と合衆国の韓国からの2万8,500人の撤退を要求し、毎年行われている米韓合同軍事演習の恒久的な中止を求める素地となります。

韓国における合衆国軍のプレゼンスには、世界最大の海外米軍基地であるキャンプ・ハンフリーズが含まれており、地域の安全保障と、北朝鮮、ロシア、中華人民共和国に対する抑止力を促進するために不可欠な役割を果たしています。

北朝鮮が完全に非核化する前に、朝鮮半島から合衆国軍を撤退させることを検討する道を開くこと――それは、合衆国の国家安全保障に悲惨な結果をもたらし、複合的な抑止力を損ない、何千万人もの合衆国人、韓国人、日本人の生命を危険にさらすことになります。

敵対行為の終結を宣言するのは、北朝鮮の核兵器を廃棄し、その人権記録を検証可能な形で改善した後、北朝鮮との包括的かつ長期的な協議の集大成として行うべきです。

終戦宣言は、最終局面や戦略が不明確なまま協議を始めようとするものであってはなりません。

合衆国は、北朝鮮からの安全保障上の脅威に対するバランスをとるために、韓国や日本と緊密に協力し続け、国連や同盟国と協力して、北朝鮮とそのエリートに対する既存の制裁を強化し、交渉のテーブルに戻すべきです。

この戦略には、中華人民共和国が金正恩とその側近に実際の経済的・政治的圧力をかけるように説得することも含まれるべきです。

平和は言葉だけでは達成できません。

平和には行動と拘束力のある保証が必要です。北朝鮮が完全な非核化、非合法活動の停止、人権問題の改善などの潜在的な約束を果たすことを、我々は信頼できなければなりません。

合衆国、韓国、同盟国が北朝鮮の侵略に対抗する立場を大幅に弱めるような一方的な譲歩を金政権に与えることは、時期尚早であり、我々の共通の利益にとって危険です。

私たちはこれらの条件が満たされるまで、敵対行為の終了を宣言するという要求を拒否することを強く求めます。

ご検討いただきありがとうございました。ご回答をお待ちしております。

⇒参照・引用元:Twitter『Young Kim』2021年12月08日-11:27-

このキム議員の反対意見は正しく情勢を見たものといえます。

そもそも文大統領がなぜ終戦宣言を出させたかといえば、合衆国軍を朝鮮半島から撤退させたいからです。これは北朝鮮の希望とも合致しています。

上掲のとおり、キム議員のレターでも終戦宣言が合衆国軍を撤退させる契機になりうると指摘しています。また、クリントン・オバマ政権がだまされたように北朝鮮が核開発を停止しないことも明らかです。

韓国外交部が沈静化に躍起

このキム議員の反対表明に対して、韓国外交部が火消しに躍起だという報道が韓国メディア『朝鮮日報(日本語版)』に出ています。

同紙の記事から以下に一部を引用します。

(前略)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が進めている終戦宣言に反対するために米国の議員らが集団で行動を起こすのは今回が初めてだ。

前日には米政府が北京冬季オリンピックに対する外交的ボイコットを発表した。

終戦宣言を前進させる雰囲気が一気に低下しているとの見方まで出る中、韓国外交部(省に相当)は8日に緊急のブリーフィングを開いて米共和党議員らによる共同書簡の内容に反論した。

外交当局が他国の、しかも同盟国の議会の動きに対して批判的な立場を公表するのは前例がない。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「米議員35人『終戦宣言に強く反対』」

また、同記事によれば、韓国の外交部は以下のように共同書簡に反論したとのこと。

(前略)
終戦宣言は在韓米軍の駐留や国連軍司令部の地位とは全く関係がない」として共和党議員らの主張に反論した。

ブリーフィングに出席した外交部当局者は「韓国政府が特定の国の議会における動きについて公式に論評するのは外交的な慣例に合わず、また適切でもない」としながらも反論を続けた。

(中略)

韓国のある外交官幹部OBは「外交部は取りあえず韓国国内での否定的な報道を最小限に抑えることが急務と考え、今回ブリーフィングを開いたようだ」とコメントした。

引用元は同上

外交部は、合衆国軍の朝鮮半島からの撤退と終戦宣言は関係ない、などと述べていますが、関係は大いにあります。先述のとおり、朝鮮半島が終結したとなれば、「合衆国軍が朝鮮半島にいる意味はないよね。撤退してくれ」と言えるからです。

親北・従中政権である文政権はまさにそれを狙っているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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