2021年12月23日、『韓国銀行』が「金融安定報告書」を公開しました。この中に「金融安定指数」(FSI)のデータがあるので現在韓国の経済がどのくらいの安定度なのかを確認してみましょう。
『韓国銀行』は、FSIについて「金融の安定に関わる実体経済・金融の20の指標について毎月計測し、これを基に算出した総合指数」と説明しています。
0-100の数値を取りますが、100に近いほど金融が不安定となり、
0-8未満:通常
8以上:Warning stage(警戒域)
22以上:Crisis stage(危険域)
と判断します。
以下をご覧ください。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「金融安定報告書」
上掲サイトのデータを基にMoney1がグラフ化
FSIは、警戒ラインが「8」、危機ラインが「22」です。
前回の「韓国通貨危機時」、2008年12月にFSIは「57.4」でした。
『日本銀行』は韓国のために日韓通貨スワップの引き出し限度額を「200億ドル相当のドルまたは円」に変更。韓国を救ったのが、まさにこのときです(2008年12月12日)。
で、2020年コロナ禍の中、ドルが枯渇してドボン寸前までいきましたが、2020年04月のFSIが「24.3」。
『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が提供したドル流動性スワップ(韓国の呼称は米韓通貨スワップ)は03月19日に発表され、03月31日に第1次調達の87億2,000万ドル(7日満期+84日満期)が入手できました。
この2020年04月の「24.3」を頂点にFSIは低下。最も危険な時期は去ったのです。
で、2021年11月時点でのFSIは(上掲のグラフで「今ココ」となっている箇所)「5.1」。
警戒域の「8」まで届いていませんので「なんだ」と思われるかもしれません。しかし、ご注目いただきたいのは2021年06月からFSIは上昇に転じ、警戒域に向かっていることです。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「金融安定報告書」
上掲サイトのデータを基にMoney1がグラフ化
FSIを見る限り、すぐにドボンになるようなことはありませんが、通貨安の進行、中国の不安定さ、資産価格の調整局面の到来、感染爆発・医療崩壊による経済的混乱など、韓国の場合リスクファクターが多くあります。大統領選挙もリスクの一つでしょう。なにせ与党候補の経済政策がナニですので。
FSIについてはまたご紹介するようにいたします。
(吉田ハンチング@dcp)