見逃せない動きがありました。
2023年07月03日、中国の中央銀行である『中国人民銀行』共産党委員会書記・国家外為管理局長の潘功勝さんと、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が会談を行いました。
2023年07月03日、『中国人民銀行』の潘功勝共産党委員会書記・国家外為管理局長は、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁一行と会談した。
双方は中韓のマクロ経済情勢や金融協力などについて意見交換した。
この潘功勝さんは、2023年07月01日に『中国人民銀行』の新たな「共産党委員会書記」に就任したばかりです(現在は同行の副総裁でもあります)。通常、このポストは総裁に就任する前に就くもので、潘功勝さんは次期『中国人民銀行』総裁なのではないかと見られています。
意見交換したという「中韓のマクロ経済情勢や金融協力」の具体的な中身は分かりませんが、中国の中央銀行の次期総裁、しかも外為管理局の局長が、『韓国銀行』の総裁と会ったというのは注目に値します。
韓国メディアでもあまり取り上げられてはいませんが、『ソウル経済』では記事で以下のように述べています。
(前略)
両国の中央銀行首脳の出会いは、様々な面で異例だ。まず、イエレン長官の06~09日の訪中を控えて李総裁との面談を急いだ点が目立つ。
李総裁は北京事務所の点検のため、週末を利用して北京を訪れる予定だったが、訪中のニュースを知った『人民銀行』側が緊急会談を要請した。
最近、中国の景気回復が弱まり、全面交代した人民銀行指導部が急いで李総裁と会談したのは、景気回復のためには中韓関係の改善が何よりも急務だと判断したため、という解釈だ。
実際、中国の経済状況は米国との対立が表面化した後、急激に悪化した。
(中略)
人民銀行で代表的な「外国為替専門家」であり「国際通」と言われる潘党書記が前面に登場したのも、このような外国為替・金融市場の不安を鎮めようとする動きと見られる。
(中略)
市場では、潘党書記がより積極的に外国為替市場介入に乗り出すとみている。
(中略)
日米韓協力の強化で韓国が半導体・バッテリーなど先端産業分野でアメリカ合衆国と徐々に接近し、中国当局が焦ったという分析も出ている。
『東国大学』経済学科のカン・サムモ教授は「中国の立場では、サムスン電子・SKハイニックスのような韓国の半導体企業が中国で運営している工場が円滑に稼働しなければ、自国の産業に必要な半導体を適時に供給することができない」とし、「中韓関係が最悪になり、合衆国の圧力が強まって、韓国企業が中国現地の半導体生産量を減らす場合、中国経済にも大きな悪材料になることは避けられない」と説明した。
カン教授は、「中国は韓国を相手に怖がらせつつ、なだめるような二重の戦略を取るしかない」と付け加えた。
李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、『韓国銀行』の北京支局に出張だったのですが、それを知った『中国人民銀行』側が「会いたい」と接触してきたと書いています。
裏が取れないので本当かどうか分かりませんが、事実としたら面白い話です。
「景気回復のためには中韓関係の改善が何よりも急務だと判断した」というのも、ずいぶん韓国を上に見た書きようですが、果たしてそうなのか、これも分かりません。
ただ、『中国人民銀行』は「元安の先行き」「国内の債務激増」などなど難題山積状態。韓国は一応は自由主義陣営国ということになっていますので、中国側に取り込みたいのは確かでしょう。
「外貨をくれ」とか「中国にもっと投資しろ」でなければいいですね。
(柏ケミカル@dcp)