韓国で感染が再拡大して医療関係者が疲弊しています。韓国政府は重症化した患者さんのための病床を増やすとしたのですが、問題は「医療従事者の人数は増えない」点にあります。
日本メディアにすら、過剰な労働に耐えかねて韓国の医療従事者が辞表を出す――なんてニュースが出ています。医療従事者から「なんとかしてくれ」と悲鳴が上がっているのは確かです。
自身への批判をかわすためなのか、ドタバタしているというのに、2021年12月30日午後、国立大病院など公共医療関係者をわざわざ集めて(以下の写真をご覧ください)、懇談会を催しました。
<<以下は注目ポイントを和訳>>
(前略)
本日の懇談会は、コロナ19病状の拡充を促すために、国立大病院など公共医療関係者の提案を聞き、公共医療機関の役割を共有すると共に、病床拡充のための関係者を慰労するために設けられたものです。この席には、全国国立大病院長、地方医療院連合会長をはじめとする首都圏地方医療院長、中央保訓病院長、社会副総理兼教育部長官、保健福祉部長官、国防部義務司令官などが出席しました。
文大統領は発言を通じて、第一線の医療現場でコロナ患者診療に最善を尽くしている医療陣に感謝を表明しました。
特に政府方針に積極的に協力し、コロナ対応で中心的な役割を果たしてきた公共病院に特別な感謝の挨拶を伝え、コロナ診療と病床確保過程で発生する各病院の困難と政府に対する要求事項を聞いて、迅速に改善案を設けると述べました。
(後略)
これは自分が頑張っていると国民にアピールするための文在寅ショーです。「この忙しいのに呼び出しやがって」――と医療関係者はアタマにきていたかもしれません。
「私こと文在寅、私こと大統領と直接話ができたら喜ぶはずだ」と考えているから、このような懇談会を催せるのです。「国民に絶賛されている私」「肥大した自画像」が頭の中にあるのでしょう。
みんながみんな、あなたを好きなわけでない――というのが分からない人なのです。ある意味幸福な人物です。
そのくせ、プレスリリースにある文大統領の発言を拾ってみると……。
(前略)
文大統領は、仕上げの発言で「医療陣が負担できる対策を樹立しなければならない」という点を強調し、「人員充援、処遇改善、派遣と既存医療陣の保守差による離職問題解消、大学病院と地方医療院が共有できる公共臨床教授などの提案事項について検討せよ」と話しました。
(後略)
文大統領は、中身のある発言をしていません。何も中身がないのは「対策がない」からです。
タスクチームに「医療従事者が我慢できる対策」を考えろ、と指示を出しただけ。つまり、「医療関係者の皆さんはこのまま頑張ってください」と言ったのと同じです。
だって対策がないのですから。
これを聞かされた医療関係者は果たしてどう思ったでしょうか。呆れたし、本当にイヤになったでしょう。「オレも辞表出そう」と思った人が増えたかもしれません。
文大統領に丸投げされた政府のタスクチームがどんな頓智を出すのかにご注目ください。
文在寅という人は、とにかくスゴイ方です。
(吉田ハンチング@dcp)
(吉田ハンチング@dcp)