韓国が最も心配する事態が進行しています。
原油、石炭価格の急上昇です。同時に通貨安も急速に進んでいます。この2つの同時進行は韓国にとって非常に危険です。
「資源価格の急騰は短期的なもの」だから大丈夫?
ロシア軍がウクライナに侵攻したことによって、原油価格が高騰。WTI原油先物は120ドルを超えました。石炭価格も急騰しています。例えば、欧州先物石炭価格は、ウクライナ侵攻前のおよそ2倍(02月23日:約190ドル ⇒ 03月04日:436.5ドル)。
韓国はとにかく原油価格が高騰する局面では貿易のもうけが減少します。韓国を成立させている貿易は、資源・中間財、資本財を輸入して、完成品を輸出するというものなので、資源価格が高騰すると輸入金額が膨らみ、その分貿易のもうけが減ってしまうのです。
何度もご紹介していますが、韓国は貿易一本で食べている国なので、貿易収支が減少、あるいは赤字転落すると、とたんに経常収支が危うくなってきます。
これまでは、韓国政府は「資源価格の急騰によって貿易収支(貿易のもうけ)は減少しているが、輸出は順調なので大丈夫」と主張してきました。「資源価格の急騰は短期的なもの」という判断だったからです。
しかし、コロナ禍の混乱に、ロシア軍によるウクライナ侵攻が加わりました。
資源価格が高止まる可能性が高まる
ロシアの蛮行は世界秩序への挑戦であり、「自国の運命はその国の人が決める」という大原則の否定です。国境線を武力でもって変更しても構わないという時代遅れの覇権主義に他なりません。
もちろん、御大の言葉にもあるとおり、帝国主義は今でもあって、鉄砲を使うか¥を使うかの違いに過ぎません。しかし、鉄砲を使ってしまった時代錯誤の罪はロシア自らが購(あがな)うべきです。
これによってロシアと自由主義陣営国の対立が固定化される可能性が高まりました。ロシアは資源輸出大国ですから、資源価格の混乱は韓国政府が想像していたより長く続く可能性も高まりました。
通貨安が韓国をさらに困らせる
さらにまずいことには、ロシア軍のウクライナ侵攻によって安全資産と目されるドルが強くなり、ウォンが安くなっています。
以下のドルの強さを示すDXYのチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同/日足)。
DXYは100を目指しています。
日足チャートのママ時間軸をより長く引くと以下のようになります。
このようにドルが強くなっています(2022年03月07日19:37現在)。
急速にウォン安が進行しているため、韓国からすると輸入物価が急騰していることになります。
資源価格の急騰と通貨安の同時進行
つまり、資源価格の急騰と通貨安の2つ、この同時進行は韓国にとって最も大事な貿易黒字を失わせる動きです。
貿易赤字(貿易収支赤字) ⇒ 経常収支赤字の流れが目に見える形で現れると韓国経済は危険です。
(吉田ハンチング@dcp)