2023年07月13日、韓国の産業通商資源部が「2023年06月のICT輸出入動向」のデータを公表しました。
2023年06月 ICT(情報通信産業)輸出入動向
輸出:160.6億ドル
輸入:114.5億ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):46.1億ドル
韓国にとってICT(情報通信産業)は非常に重要です。貿易収支は黒字となっていますが、これは当然のこと。赤字になったらいよいよ韓国も危ないですので。
問題は、当月もやはり輸出が減少していることです。
対前年同期比で当月は「-22.1%」です。産業通商資源部は「2022年06月が輸出金額が大きかったのでその基底効果」と説明しています。
確かに、2022年06月のICT輸出金額は「206.0億ドル」と巨額で、2023年06月が「160.6億ドル」なので基底効果は大きいといえます。しかし、下掲のとおりICT氏製品の輸出金額が低迷を続けているのもまた確かなのです。
主要輸出品目の金額および対前年同期比の増減を見てみると、以下のようになります。
2023年06月
半導体:89.9億ドル(-27.9%)
⇒システム半導体:37.8億ドル(-9.6%)
⇒メモリー半導体:47.7億ドル(-38.8%)ディスプレー:15.9億ドル(-11.1%)
⇒LCD:3.5億ドル(-19.5%)
⇒OLED:10.2億ドル(-6.7%)携帯電話:7.8億ドル(-18.8%)
⇒完成品:2.4億ドル(-46.9%)
⇒部品:5.4億ドル(+7.0%)コンピュータ・周辺機器:8.7億ドル(-48.7%)
⇒電子機器およびデータセンター・サーバ用補助記憶装置(SSD):5.3億ドル(-60.4%)通信設備:2.2億ドル(-3.3%)
※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2023年06月情報通信産業(ICT)輸出入動向」
半導体、ディスプレー、携帯電話、コンピュータ・周辺機器、通信設備の全てが対前年同期でマイナスで、つまりは全滅です。唯一「携帯電話の部品」がプラスですが、焼け石に水です。
特にご注目いただきたいのは「半導体」で、韓国メディアは「半導体は100億ドル輸出時代だ」「100億ドルがマジノ線」などといっていたのですが、2022年10月に「92.3億ドル」まで急落。そのマジノ線はあっさり突破されました。
少しは回復したのですが、それでも06月は「89.9億ドル」しかありません。
次にICT関連製品の輸出を地域別に見ると以下のようになっています。
輸出相手先別の輸出金額
対中国:67.4億ドル(-25.7%)
対ベトナム:24.9億ドル(-11.3%)
対EU:9.7億ドル(-21.6%)
日本:3.7億ドル(-10.3%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2023年06月情報通信産業(ICT)輸出入動向」
こちらも全滅です。
これで上期がまとまりましたので、01~06月の累計を見てみましょう。
ICT関連製品 01~06月累計輸出総計
849.5億ドル(-30.6%)半導体:439.3億ドル(-36.8%)
ディスプレー:88.1億ドル(-30.6%)
携帯電話:57.7億ドル(-21.1%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2023年06月情報通信産業(ICT)輸出入動向」
累計にしても全くいけません。2022年は過去最高の結果を出したので、その基底効果といいますが、韓国のICT関連製品の輸出は総計で「-30.6%」。約7割に縮小したのです。
問題は、下半期に回復するのか?――です。
(吉田ハンチング@dcp)