韓国で真剣などつき合い始まる。尹新政権は文の遺産を粉微塵に砕く

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韓国で戦いが始まるとご紹介しましたが、尹錫悦(ユン・ソギョル)新政権の先遣部隊として結成された「大統領職引き継ぎ委員会」が「現文在寅政権のよしとしてきたもの」をぶっ壊しにかかっています。

女性家族部は廃止する!

選挙戦中に尹錫悦(ユン・ソギョル)さん自身が述べた「女性家族部の廃止」は、「歴史的使命は終わった」としてそのまま進める模様です。

この女性家族部は「女性政策の企画・総括、女性の権益増進などの地位向上、家族と多文化家族政策の樹立・調整・支援、健康家庭事業のための児童業務及び青少年の育成・福祉・保護に関する事務を遂行する」としていますが、日本にも関係があります。

例の「正義連」「挺対協」といった団体に資金を供給してきた政府機関なのです。どの市民団体に資金を供給するかを当の市民団体が決めるというお手盛りを行っていたこと、また、監査もきちんと行われていなかったなど数多くの問題点が指摘されてきました。

見方によっては市民団体の利権、もっと悪く言えば「金づる」です。そのため、韓国内でも多くの批判が寄せられてきたのです。

女性家族部が廃止されることで、お金がもらえなくなる危機に瀕した団体、関連の人物が反対の声を挙げているのですが、尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは廃止を遂行するつもりです。

新大統領就任まで公企業の人事を凍結せよ!

また、「大統領職引き継ぎ委員会」は現政府に対して、「尹大統領が公式に就任するまで公企業・公機関の人事を凍結する」ように要求しました。

これは、旧政権の意を受けた人物が公企業の要職にいると、新政権が発足してからサボタージュ、職務怠慢などを行う可能性があるからです。

韓国メディア『毎日経済』の報道によれば、このような「大統領職引き継ぎ委員会」の動きを受けて『韓国成長金融投資運用』は理事会の開催直前に、その日の議題であった「役員交代」を取り消した、とのこと。

この『韓国成長金融投資』は、文大統領がぶち上げた「韓国版ニューディール」のファンドを統括するための機関です。

同紙報道によれば「当初、同日理事会で新任代表理事など社内・社外取締役5人に対する選任案件を議決する予定だったが、決算財務諸表などだけを議論することになった」とのこと。

⇒参照・引用元:『毎日経済』「【独占】文政府公企業人事…引継委『中断』を要求」

同紙は他にも、

『韓国ガス安全公社』
イム・チャンギ前大統領府民政首席室選任行政官 ⇒ 常任監査に任命

『韓国南部発電』
キム・ミョンス『民主平和統一諮問会』諮問委員 ⇒ 常任監査に任命

を挙げています。

政権交替に備えて、現文政権が公共機関、公企業へ「お友達」のパラシュート人事を行っているとされており、「大統領職引き継ぎ委員会」はこれを阻むつもりです。

そもそも文大統領は、就任初期に「公共機関のパラシュート人事悪習を断つ」としたことがあるので、言動が一致しません。この人は、最後の最後まで言ってることとやってることがチグハグです。

このような「大統領職引き継ぎ委員会」の動きに対して、青瓦台・大統領府は反発しており、『朝鮮日報』の記事では、大統領府関係者が「明らかなのは05月09日までは文在寅政府の任期であり、任期内に与えられた人事権行事は当然だ」と述べたとのこと。

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「青瓦台、尹に『文政府がしないことで民政室廃止の根拠にしてはいけない』」

「民情首席秘書官室」を廃止する!

さらに、尹錫悦(ユン・ソギョル)さん、「大統領職引き継ぎ委員会」は青瓦台・大統領府の組織「民情主席秘書官室を廃止する」と述べています。

この「民情主席秘書官室」は、監査機能を統括するという建て付けの組織ですが、大統領の意を汲んで「特別な監査」を駆使してきました。

大統領選挙の最中から尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは「青瓦台民情首席室廃止」を公約としてきました。

『中央日報』の記事から尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの発言を引いてみます。

(前略)
尹氏はこの日、ソウル鍾路区通義洞(トンウィドン)の金融監督院研修院に設置された当選者執務室で、大統領職引継ぎ委員会の安哲秀(アン・チョルス)委員長、権寧世(クォン・ヨンセ)副委員長、元喜龍(ウォン・ヒリョン)企画委員長とティータイムを持ち、「今後、大統領室の業務から監査機能を徹底的に排除し、民情首席室を廃止する」と明らかにしたと、金恩慧(キム・ウンヘ)報道官が書面ブリーフィングで伝えた。

尹氏は「いわゆる社稷洞(サジットン)チームはあり得ない」とし

過去に監査機関を掌握した民情首席室は合法を装って政敵、政治的反対勢力を統制することが少なくなかった。世評の検証を偽装して裏調査をしてきた、このような残滓を清算する

と述べた。

続いて「私が目指す大統領室は監査機能をなくし、ひたすら国民のために仕事をする有能な政府であり、政策アジェンダを発掘して調整管理をすることだけに努力する」と強調した。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「韓国次期大統領『民情首席室を廃止…裏調査の残滓を清算』」

大統領の威を借るキツネ的な組織が政敵を調査するようなことは許さないというわけです。これにより、民情首席室(つまりは大統領府)が検察を抑制することが難しくなります。

韓国では「検察の力が巨大」といわれますが、しかし検察が力を持たなければ絶大な権力を持つ大統領を誰も止められないという見方もできるのです。

ちなみに、文在寅その人が盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の下で民情主席秘書官を務めたことがあります。

青瓦台・大統領府関係者がこの尹錫悦(ユン・ソギョル)さん・「大統領職引き継ぎ委員会」の動きに不快感を表明したとのこと。そりゃそうでしょう。
 
 
――というわけで、すでに新政権側は現文政権のよしとしてきたものを壊しにかかっています。

スクラッチ&ビルド」といいますが、では新政権は何をビルドするのか、この点に要注目です。

(吉田ハンチング@dcp)

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