「韓国版NASA」を設立して7大宇宙強国だ!――という話

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2022年05月10日に韓国の次期大統領となる尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは、大統領選中に「航空宇宙庁の新設」を公約に掲げていました。

現在「大統領職引き継ぎ委員会」でも政府組織、機関の再編プランを練っているので、韓国が「航空宇宙庁」を新設する可能性はあります。

韓国メディア『毎日経済』には韓国版NASAができるぞ!という期待感に満ち満ちた記事が出ています。記事の一部を引用すると以下のような具合です。

宇宙強国跳躍のための「韓国型NASA」設立が可視化している。

(中略)

05月就任を控えた尹錫悦(ユン・ソギョル)次期大統領が候補時代、7大宇宙強国飛躍のための航空宇宙庁新設を主要公約として掲げ、大統領職引き継ぎ委員会でも政府組織改編優先順位の一つとして航空宇宙庁設立を検討しており、早ければ年内にも韓国初の宇宙専担組織である航空宇宙庁の輪郭が出るのではないかという期待感が高まっている。
(後略)

⇒参照:引用元:『毎日経済』「韓国型NASA、省庁傘下組織では限界… 大統領が直接手に入れよう」

可視化しているかどうかはまだ分からないのですが、『毎日経済』紙はかなり入れ込んでいらっしゃいます。というのは……。

(前略)
『毎日経済』は昨年3月、「ビヨンド・グラビティ:航空宇宙強国のために」をテーマに開かれた第30次国民報告大会で、国内航空宇宙産業の跳躍案を提示した。

当時、『毎日経済』は韓国型NASA設立を提案し、首相室・大統領室直属機関として運営し、大韓民国の宇宙ガバナンスを再確立しなければならないと提案した。
(後略)

『毎日経済』紙自身が提案も行ったものだからなのです。

韓国でもロケット開発は行っていますが、宇宙開発にどのくらいの資金を投じているのかを各国と比較してみると、以下のようになるのです。

宇宙開発先進各国と韓国の投資規模

アメリカ合衆国:477億ドル(0.21%)
中国:88億ドル(0.04%)
フランス:40億ドル(0.14%)
ロシア:38億ドル(0.2%)
日本:33億ドル(0.06%)
ドイツ:24億ドル(0.06%)
イギリス:11億ドル(0.04%)
韓国:7億ドル(0.04%)

( )内は対GDP比/データは『毎日経済』紙による

477億ドル」も突っ込んでいる合衆国は例外としても、韓国の場合「7億ドル」で他国と比較して桁が1つ足りません。

これをなんとかするためにも「航空宇宙庁」を新設して資金を投じろと主張しているのでしょうが、Money1で何度もしつこくご紹介しているとおり、韓国政府に財政余力などありません。

「韓国型軽空母」建造など無駄な出費をやめればいいのですが、その気配はありません。

そもそも「先進各国が行っているから韓国も」――という考え方が全く健全ではなく、合理的とは思えません。アレもコレもと欲しがるので支出が膨らむばかりです。

韓国政府は目標の取捨選択を行うべきなのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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