金利が下がる局面よりも上がる局面の方が危ないのです。
2022年04月13日に『韓国銀行』が公表した「2022年3月の国際金融・外国為替市場動向」というプレスリリースの中に興味深いデータがあるのでご紹介します。
韓国の5大銀行、国策銀行の8つの銀行が外貨建て資金を借りる(債券発行など含む)ときにどのくらい利率を上乗せしないといけないか――のデータです。すなわち「プレミアム」がどのように推移しているのかです。
注:
1)国民・新韓・ウリ・ハナ・農協・企業・産業・輸出入など8つの国内銀行基準
2) 国内金融機関間借入及び本支店借入は集計対象から除外
3) Libor対比、満期1年以下借入金額加重平均(O/N除く)、( )内は加重平均借入期間(日)
4)Libor対比、満期1年超過借入金額加重平均(20年以降RP含む)、( )内は加重平均借入期間(年)
5) 5年物基準 (資料: Bloomberg, CMA DatavisionTaigai gaika kariire)
ご注目いただきたいのは、長期のプレミアムです。
02月:16bp
03月:73bp
※1bp = 0.01%
なんと03月には「73bp」(=0.73%)にもなっています。「01月:30bp」でしたから、プレミアムが2.4倍になったのです。それだけ利率を上乗せしないと外貨調達ができなくなっています。
つまり、外貨調達のコストが急上昇しているというわけです。
さらに、「外国為替平衡基金債券」(外平債)のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も上昇しています。
02月:27bp
03月:30bp
さすがに中央銀行が発行する債券だけあって(中央銀行が債券発行して外貨を調達するというのがそもそもおかしいのですが)上掲より低く済んでいますが、CDSプレミアムはじわじわと上昇しているのです。
韓国が外貨調達する際には利率を上げないと難しくなっている現状を示しています。
そしてこのプレミアムはこれからも上がります。完全に利上げ方向だからです。つまり利払いが以降も増えることになります。
(吉田ハンチング@dcp)