韓国は輸出1本で食べている国で、輸出によってもうけが出なくなるとスグに国が傾きます。
現在、(通関ベースながら)2カ月連続の赤字です。これは何度もご紹介していますが、韓国に必須の資源・資本財・中間財の価格が上がって輸入金額が輸出金額よりも増加しているからです。
韓国政府は「輸出が増加しているので大丈夫だ」などと大本営発表を続けていたのですが、2カ月連続の赤字に慌て、先にご紹介したとおり産業通商資源部が緊急会議を行いました。
ここにきて、韓国メディアでは「中国発のパーフェクトストームに韓国が襲われるのではないか」という報道が出ています。
理由は簡単です。
韓国最大の輸出相手である中国の景気が減速し、対中国輸出が怪しくなってきたのです。
輸入金額の上昇が輸出金額を上回る状況が継続し、ここで「増加しているので大丈夫」といってきた輸出が減少したらどうなるでしょうか?
2022年05月01日に韓国産業通商資源部が公表した、04月の輸出入動向のプレスリリースから以下に「主要地域別輸出推移」表組の一部を引用します。
2022年04月
対中国輸出:129億4,400万ドル
対前年同期比:-3.4%※金額の単位は100万ドル。( )は対前年同期比の増減。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2022年4月の輸出入動向」
ご注目いただきたいのは、対前年同期比の増減です。
「対合衆国:+26.4%」「対日本:+6.2%」「対ASEAN:+37.3%」「対EU:+7.4%」と韓国にとって重要な顧客に対する輸出は増えているにもかかわらず、最大の輸出相手である中国への輸出は「-3.4%」と減っているのです。
韓国の2022年04月の輸出額は「576億9,000万ドル」。このうち対中国は、上掲のとおり「129億4,400万ドル」で地域別に見ると「22.4%」を占めています。
やはり最大の輸出相手なのですが、その大事な国への輸出が減少しています。対中国への輸出金額が対前年同期比で減少したのは、18カ月ぶりのこと。
輸出だけではありません。
03月には対中国の貿易収支は「30億1,000万ドル」あったのですが、04月は「6億1,000万ドル」。なんと、ほぼ1/5まで減っています。
読者の皆さまもご存じのとおり、これは中国のロックダウンが主な原因です。このままいくと……と韓国メディアが怖気を奮うのも当然です。
「中国発の」と他人のせいにしている点が若干気にはなりますが、中国の都市封鎖が長引けば、それが引き金となって韓国がパーフェクトストームに襲われるというのも、ある程度の説得力を有しています。
もう何度だっていいますが、とにかく韓国という国は貿易でのもうけが減ると危なくなるのです。
(吉田ハンチング@dcp)